乱れまなこの斜め読み(1)
ニュースを流し読みした。ザル頭に引っかかったいくつかを。
イタリア中部で発生した地震の被害は、地震の規模のわりにずいぶん大きい。これは地震の深度が浅かったことと、建物の構造上の問題があったためであるようだ。石や煉瓦を積んだだけだと地震にとても弱いことが見て取れた。
イタリア検察当局は手抜き工事による増改築が被害を大きくしていた疑いがあるとの見解を示しているという。イタリアのことだからさもあらん、と思うのはイタリアの国柄に偏見があるからか。
ところで築地市場の豊洲への移転が問題になっている。新しい豊洲の市場が使い勝手がわるいことが明らかにされているようだ。どうも実際に入居する仲卸の人たちに十分な確認もせず、数学的な割り振りをしたため、一軒ごとの間口が狭すぎるらしい。なぜ入居者を考慮しないものが建てられたのか。
問題はさらにある。構造上の強度について粉飾の疑いがあるとスクープされていた。一部二階のコンクリートの厚さが10ミリ厚として強度計算がされているという。コンクリートにはバラス(砂利)が入るから、砂利の大きさより薄いコンクリートなどあり得ない。実際には150ミリ厚のコンクリートが敷設されている。ではなぜ10ミリで強度計算をしたのか。安全係数の範囲に入るためには二階の重さが問題で、それから逆算してコンクリートは10ミリでないとならないからではないかという。
さらにこの豊洲の市場の建設費用は当初予算の約三倍にふくれあがっている。資材がそれほど高騰しているという事実はなく、まったく理由不明である。このことはあの2020年東京オリンピックの競技場の予算のふくれ方を思わせる。
東京都の金にゆとりがあることを良いことに、頭の黒い鼠がそれを食い物にしている構図が見えるではないか。舛添氏が公私混同でチビチビと蓄財しているあいだに、東京都の金は大きく蝕まれていたのではないか。小池氏がどこまでそれに切り込めるであろうか。
このような構図の中では手抜き工事だっておこる可能性が大きくなるのではないか。事実と異なる強度計算が罷り通る世界である。プロの見直しが必要であり、そうでないと首都直下型地震などが起きたとき、安全なはずの建物や高速道路がばたばた倒れて世界の笑いものにならないとは限らないではないか。
これでは中国やイタリアを笑えない。
« 木村正人「EU崩壊」(新潮新書) | トップページ | 乱れまなこの斜め読み(2) »
「ニュース」カテゴリの記事
- 意見の相違(2022.06.25)
- 諸刃の剣(2022.06.23)
- 気になる数字(2022.06.21)
- ニュース雑感・国会関連(2022.06.02)
- ニュース雑感・朝鮮半島(2022.06.02)
OKCHAN さん
で豊洲市場の問題点を見た
市場の中で働く仲卸さん(`ヘ´) プンプン
机の上で計算したのでトラックを入れると、
33㎝しかスペースがなくて、通れない
せめて55㎝ほしい
入場する回数で、施設料金が決まる
頭の黒ネズミさん
これからも大きく成長するのかしら?
頑張れ!小池都知事さん
投稿: ちかよ | 2016年8月29日 (月) 13時33分
ちかよ様
東京都を食い物にしている黒い鼠たちがいたのかどうか、それを明らかに出来るかどうか、小池新都知事の力量が問われます。
今までもとかく噂されていたのに、マスコミはそこに切り込まなかったようです。
なぜそこをアンタッチャブルにしていたのか、その辺も週刊誌あたりに突っ込んでもらいたいところです。
投稿: OKCHAN | 2016年8月29日 (月) 14時09分