養老孟司・南伸坊「老人の壁」(毎日新聞出版)
こんな本がこの春に出ていたのだ。気がつかなかった。
養老孟司先生は損得とは違う価値観で生きているので、普通の人と考え方が異なるところが多い。そのユニークさの故に、先生となめらかに対話するのは案外難しかろうと拝察する。損得で生きている人間には先生の論理についていくことができないからだ。
三角おにぎりみたいな風貌の南伸坊はその点で先生と相性が良い。先入観のないところがこの人の良いところで、素直に相手の言葉を聞いているから、相づちや返す言葉は的確である。これなら先生もゴキゲンで対談できる。
老人であることを、あれができなくなった、これができなくなったと嘆くことはやめて、もっとあるがままに楽に生きることを提唱している。そう言えばそうだった、と思い出させてもらった。
定年を延長せず、やりたいことをやりたくて早々にリタイアしたときの、あの喜びを思い出した。人間は一生仕事に就くべきだ、という生き方もあり、それも否定しないけれど、養老先生のように、老人になったらしたいことをしても良いのだよ、といってくれるととても嬉しい。
そんな励ましと安心を与えてもらえる本であった。
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私の父も、定年を延長せず、今を楽しんでおります^_^
投稿: 藤子 | 2016年8月30日 (火) 11時27分
藤子様
リタイアして半年もするとやることがなくてボケる、などということを良く聞きますが、私はやりたいことだらけで時間が足らないくらいです。
いやなことがないわけではありませんが、毎日がたいてい楽しいです。
ただ、やることがあってもボケるのは致し方ないのかもしれません。
年をとったら遊べるときに遊ばなくっちゃ!
投稿: OKCHAN | 2016年8月30日 (火) 11時37分