川合章子「あらすじでわかる中国古典『超』入門」(講談社+α文庫)
「『超』入門」と言いながら、中国の古典にほとんど予備知識がないのにこの本を読んでも、中国の古典の概観がつかめる、というわけにはいかない。中国には膨大な書物が遺されているから、全体を一気に語るのは詳しく論じるよりはるかに難しい。
ただ、「『超』入門」であろうが「入門」であろうが、そういう本を読もうと思う人は多少興味があるからこういう本を手にするので、それで良いのだろう。
例えば「三国志」や「水滸伝」を知って、ほかにどんな本があるのだろうか?と思ったときなどには参考になるかもしれない。
それにしても詩から論語、諸子百家、史記、山海経(せんがいきょう)、西廂記(さいしょうし)、三国志演義、水滸伝、西遊記、金瓶梅、封神演義、聊斉志異、儒林外史、紅楼夢、児女英雄伝、三俠五義などが、たった200ページあまりで一気に紹介されると、頭が混乱する。本の中身の重さの見当がつかめないのだ。
まず面白そうな本を一冊手に入れて分かるところから飛ばし読みしてなじんでいくのがいちばんだ。初心者にとって、この本がその手がかりになるかどうか。
魯迅の中国小説史を読んでいる途中なので、それと並行して、概観をもう一度おさらいをするのにすこしは役に立つかと思ったが、物足りなく感じた。
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