おろしそば
そば打ちを趣味にしている友人がいる。何度か打ち立てのそばをもらって食べた。年季が入っているので美味しい。私も子供のときからのそば好きである。
そばが美味いと心から思ったのは、東京に住む叔父に連れられて浅草寺へ初詣でに行き、浅草で盛りそばを食べたときである。叔父は大学が信州で、それ以来の大のそば好きである。冬に盛りそばであったが、とても美味かった。ざるそばと盛りそばの違いは・・・と叔父仕込みの蘊蓄を言い出すと切りがない。私はざると盛りとあれば必ず盛りを食べる。分かる人には分かるであろう。
そのそばの食べ方におろしそばというのがある。文字通り、大根おろしの辛みで食べる。池波正太郎の「鬼平犯科帳」にも信州のおろしそばの話が出てくる。そこではおろしそばはそれ専用のねずみ大根という小さな、そして辛みのある大根が使われるとある。
福井もそばの栽培が盛んで美味い蕎麦が食べられる。大野でそのおろしそば用の小さな大根をもらったこともある。ただ、池波正太郎の小説で読んだものとは少しイメージが違うので、違うものかもしれない。
郡上白鳥から峠を越えて九頭竜川沿いに山を下ると越前大野へ向かう。途中から永平寺へも行ける。その大野への道に鄙びたそば屋がところどころにあって、その一軒でおろしそばを食べた。辛い、そして美味い。隣の席にいたおばさんが辛すぎると店に文句を言っていたが、そういうものです、と店主に一蹴されていた。その味が忘れられなくてたまに寄る。
最近は自分でおろしそばを作る。作るといっても気にいった乾麺のそばを茹でて水にさらし、自製のそばつゆに大根おろしをたっぷり加えてそばに振りかけて食べるだけである。そのときの大根おろしは必ずしっぽに近いところ、できれば一番先の方が望ましい。そして、決して皮をむかないことである。皮の部分が一番辛い。そしてしっぽの部分が辛い。大根は少し早めにおろしておくと辛みが増すようである。
辛さにヒイヒイいいながら食べる。食べれば食べるほど辛みが増す。そして最後に残ったかけ汁に熱湯を注ぐ。するとあら不思議、辛みは消え去り、そのまま飲むことができる。至福の時である。昨日大量に豚汁を作った。大根の先の方はそのためにとってある。これで二、三回おろしそばが楽しめる。
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OKCHAN 、こんばんは
池波正太郎の小説が好きで、殆ど読み尽くしていますが、
中々の食通ですよね。今放送中の真田丸、上田市の努力、
池波正太郎の小説で、真田家はほとんど上田と思いきや?
真田の家宝も甲冑なども松代にあります。
上田市の中心から北へ5~6キロ、坂城町に「ねずみ」という地区があり、
ここで作られている「ねずみ大根」はうどんにも合い美味しいですよ!
投稿: 岳 | 2016年11月16日 (水) 18時44分
岳様
いつも信州の美しい写真を拝見しております。
松代には三年ほど前に行き、ゆっくりと散策しました。
武家屋敷も象山神社も、そして大本営跡も見ました。
もう一度行きたいと思っています。
投稿: OKCHAN | 2016年11月16日 (水) 19時26分
池波正太郎の食通、蕎麦好きはとみに知られていますね。
我が夫婦も蕎麦好きで、各地の蕎麦を少なからず頂いていますが、
老夫、舌の方も年々頑固になりまして”蕎麦はやっぱり東京が一番美味しい”と。
各地の蕎麦の味の違いを楽しむのも蕎麦通と思うのですが最近口うるさくなりました。
投稿: おキヨ | 2016年11月17日 (木) 12時44分
おキヨ様
歳をとると記憶で食べるようになるところがあります。
味覚がそれだけ衰えているので、昔「美味い」と実感した味を味わうことができなくなっています。
だから何を食べても昔「美味かった」ものにはかないません。
ご主人も多分そうでしょう。
私も昔「美味かった」ものを思い出して懐かしみますが、いまそれ以上のものを食べてもたぶんその記憶には勝てないでしょう。
投稿: OKCHAN | 2016年11月17日 (木) 13時30分