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2017年1月22日 (日)

失われた富を取り戻す

 1950年代、私がまだ小学校低学年だった頃、父親が食卓で「アメリカには一家に一台車がある」と言った。家族はみなアメリカはすごい国だなあと思った。そのあと父は「日本もいまにそうなる」と言った。まさかと思った。まだ洗濯機も冷蔵庫もテレビもなかったからだ。車など夢のまた夢だと思ったのだ。

 アメリカはあこがれだった。その後テレビが家に置かれると、アメリカのホームドラマでアメリカ人の豊かな暮らしを目の当たりにすることになった。本当に一家に一台車があるのが当たり前の生活がそこにあった。たぶん世界中の人がアメリカ人のような豊かな生活が出来ることを夢見て努力した。

 どうしてアメリカがそれほど豊かだったのか。世界が貧しかったからだ。世界の富がアメリカに集中していたからだ。世界の人々は歯を食いしばって貧しさに耐え、次第に豊かになっていった。

 アメリカにだけ集中していた富が世界に分散した。日本が、中国が、韓国が豊かになれば、その分アメリカの豊かさは損なわれる。豊かさは富があることであると同時に、相対的に貧しいものがいて自分の豊かさが実感される。比較の中で豊かさと貧しさは感じられる面もあるのだ。
 
 大きな家に住み、ぶくぶくと肥満して飽食していながら、自分は貧しい、とアメリカのプアホワイトといわれる白人労働者達は不満を漏らす。

 トランプ新大統領はアメリカの失われた富を取り戻す、と国民に約束した。彼は私より少し年上の世代であり、世界があこがれたアメリカだけが豊かだった時代があるべきアメリカの姿だと思っているようだ。

 アメリカだけが豊かだった時代から次第に他の国にアメリカの富が奪われたからいまアメリカの労働者達は貧しいと言う。それを取り戻すと言うことは、あのアメリカだけが豊かな時代にもどらせてみせると約束したのだ。

 それはすなわち、アメリカ以外の国を再び昔のように貧しくさせてやる、と公言していることに外ならない。それが出来ると本気で思っているし、熱烈な支持者たちはそれを期待している。そんな時代がこれから来るのだろうか。

 もし来なければ、つまり約束が守れなければ、トランプに対する熱狂的な支持は、怨嗟と反感に変わるだろう。

 新大統領就任式のとき、トランプに反対する人たちの一部は暴徒化し、破壊行為を行い、多数の逮捕者を出していた。同じことがトランプ支持者によってさらに激烈に行われる日が来るような気がする。そのとき彼は暗殺されるだろう。

 その前にトランプが約束を履行しようとすることによって世界は混乱を来しているだろう。

 こんな予言は当たって欲しくないとは思うけれど・・・。

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