のび太はどうやってジャイアンと対峙するのか
トランプがその本性を現し始めた。本性は無知なのかそれとも計算ずくの暴力なのかはまだ分からない。
フォードのCEOと並んで昂然と胸を張り、日本をターゲットに自動車の貿易は不公平だと口角泡を飛ばしていた。フォードは日本での販売戦略に失敗し、しっぽを巻いて昨年日本から撤退した。その恨みがあることは関係者は誰でも知っている。日本で売れている海外車はたくさんある。道路を走っている車を見れば歴然としている。
それなのにフォードが撤退せざるを得なかったのは、韓国の現代自動車が撤退したのと似ていて少々違う。韓国の車が日本で売れなかったのは、韓国の車を所有して乗り回すことに日本人は躊躇するという面があるから仕方がない。しかし、アメ車にあこがれる日本人は少なからずいるはずで、それでも売れなかったのは、メンテナンス管理体制の不備や、日本人の感性を読み取っての対応に努力しなかったからであることは明らかである。
それを日本のせいにするのはおかしい。現にドイツ車はどんどん売れている。
トランプ大統領はフォードに耳打ちされて、自分の30年前の思い込みのままに日本を非難していることは、日本人もアメリカ人も分かっている。しかしトランプ大統領はその思い込みのままにいて、たぶんすぐには考えを変えないだろう。ほとんど老醜の妄想を感じる。
トランプ大統領のゲームのルールの異常さが感じられる。彼とゲームをするときは、相手は勝ってはならないという前提でゲームが行われる。トランプが、つまりアメリカが勝てないのは相手がわるいから勝てないのであって、それは不公平で正さなければならないということである。トランプが、つまりアメリカが勝てるようにルールを変更しなければゲームをしない、と公言している。
アメリカは常に勝つのであって、勝つことが正しい、と云っている。そんなゲームをこれから世界は始めなければならない。およそあり得ないルールを彼はアメリカ国民に約束して実行していくことだろう。
ドラえもんでは、ジャイアンが自分に都合の良いルールで取り仕切る場面が多々あって、極めて不公平である。しかしジャイアンは、自らの強引さをときどき自覚し、それを何らかの形で補填する。それがのび太やスネ夫がジャイアンと決定的に決別しない理由である。
しかしトランプはジャイアンのエクスキューズを欠いた存在であるように見える。そのようなジャイアンと日本をはじめとする世界中ののび太たちはどう対峙していけばよいのだろうか。
まずジャイアンもどきである中国が、ジャイアンとどう対峙するのか、それを見てみようか。その結果を待つ時間があればありがたいのだが、どうだろう。長期的に見ればエクスキューズのないジャイアンなどただの鼻つまみで、誰も相手にしなくなり、自滅するだけのはずなのだが・・・。殿の御乱心を止めるのは共和党か、トランプ支持者か?世界はトランプによってしばらく不遇を経験するだろう。
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おはようございます
先日は私の拙い韓国論を見ていただきありがとうございます。
先日見た某新聞で、日本で売れている外国車一覧がありましたが、
上位五位まで全てドイツ車でアメリカのビックスリーは悉く番外でした。
トランプ大統領は「日本の貿易障壁は・・・」と明らかに虚構を言っているようですが(日本はそんなことをしていないそうです)、その前になぜドイツ車と違ってアメリカ車は日本で相手にされないのか?ということを真摯に考えるべきでしょう。また彼は中国を「保護主義だ」と非難していますが、彼もアメリカのやり方を押し通そうとするなど十分保護主義的だと思うのですが・・・如何でしょうか?
では、
shinzei拝
投稿: shinzei | 2017年1月26日 (木) 07時35分
Shinzei様
まさに自分が勝つことがルールの基本であるというトランプの傲慢さを言ったのがこのブログです。
こんな暴論が通用するようではやくざが幅をきかせているのと同じですが、そのやくざを取り締まるものが存在しない世界は恐ろしいです。
トランプの暴走するのを止めるのはアメリカ国民のはずですが、それが可能かどうか心配です。
トランプを止めるのは結局彼の老化による衰えを待つしかないかもしれません。
投稿: OKCHAN | 2017年1月26日 (木) 07時53分