« そのとき男たちは何をしていたのか | トップページ | おかしな論理 »

2017年1月 7日 (土)

違法コピーとノーベル賞

 日本で人気の日帰り温泉の全くのコピーのような施設が中国・上海で開業して、それが契約で了解されているとかいないとかいうことが話題になっていた。いまに本当のことが明らかになるだろう。

 ところで中国では海賊版が横行していることはずいぶん前から問題になっている。映画も封切りになった翌日には画面からコピーしたと思われるビデオが店頭に並ぶ。音楽やアニメも同様である。中国では正規のソフトが流通することはほとんど期待できない。

 安価に手に入るものを、わざわざ正規の値段で買おうとする者などいないのは当然である。

 このことがオリジナルを尊重しなくても良いという社会的風潮を生み出し、定着させてしまった。良いものがあったら盗んででも真似をして儲ける、それが賢いことだ、という意識が国民の中に拭いがたく染みついてしまった。これは違法コピーを放置して対処しなかった国家の責任である。

 中国にノーベル賞学者がほとんど出ないことを中国人はどう思っているのだろう。あれだけの人口を抱えているのである。頭の良い人間は山ほどいるだろう。それなのにノーベル賞がほとんどないのは、何かノーベル賞に細工があるのではないか、などと考えているかもしれない。日本が最近受賞者を続けて出しているのも、たぶん裏金でも使っていると思っているかもしれない。

 ノーベル賞の対象はオリジナルなものに限られる。当たり前である。前人がなしえなかったことをブレイクスルーして社会に貢献した人の中から選ばれて与えられる。オリジナルに敬意を払わず、真似して楽することが賢いと思う国からはノーベル賞は出にくいのは当然と言えば当然なのである。

 オリジナルが評価されない国からはオリジナルを生み出す人は生まれない。しかしそのことがこれからの中国にとって致命的であることに、中国自身は気がついていないようだ。

« そのとき男たちは何をしていたのか | トップページ | おかしな論理 »

ニュース」カテゴリの記事

コメント

国民がそれを受け入れるのですから、
コピーすることを恥と思わない国民性なのでしょうね。
おっしゃるように世界一の人口でありながらノーベル賞受賞者は少ないですね。
あっても平和賞とか文学賞とか。
ノーベル受賞につられ莫言の作品を読んだのですが、中国名のややこしさに閉口、
途中断念しました〔恥^^〕

記憶に間違いなければ、上海の温浴施設の責任者は日本人ということです。
情けないはなしです。

おキヨ様
平和賞や文学賞はそもそもノーベル賞になじまないような気がします。
佐藤栄作氏が受賞したりしましたし、ボブ・ディランが受賞したりで値打ちがあいまいですね。

けんこう館様
それで歯切れのわるい話になっているのですか。
本当に情けない話ですね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« そのとき男たちは何をしていたのか | トップページ | おかしな論理 »

2025年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

カテゴリー

  • アニメ・コミック
  • ウェブログ・ココログ関連
  • グルメ・クッキング
  • スポーツ
  • ニュース
  • パソコン・インターネット
  • 住まい・インテリア
  • 心と体
  • 携帯・デジカメ
  • 文化・芸術
  • 旅行・地域
  • 日記・コラム・つぶやき
  • 映画・テレビ
  • 書籍・雑誌
  • 経済・政治・国際
  • 芸能・アイドル
  • 趣味
  • 音楽
無料ブログはココログ
フォト

ウェブページ