石の思い出
ブラタモリというテレビ番組が好きで、最近は必ず観る。タモリと同行するNHKの女子アナがみなチャーミングに見えるのはたぶんタモリの手柄だが、それは起用されている女子アナが自己主張を見せないタイプだから観ていて好感が持てるからだろう。
タモリは博識だが、特にこの番組では地学の知識を披露して、解説として登場する人々に感心されて、素直に嬉しそうにしているのも好ましい。あれなら知識をさらに深める気になるだろう。
タモリは断層や火山が好きだが、私も大好きだ。暗くて狭いところが苦手なのに洞窟も好きで全国の鍾乳洞にずいぶん這入った。秋芳洞はもう五回くらい行っただろうか。地学で地下の断面図を推計して図面を書くという課題がある。地表の地質と少し離れた場所の、断面が露出しているところがあれば、地層の傾斜などがある程度分かり、断面図を書くことが出来る。これが楽しくて大好きだった。ブラタモリを観ながらそのことを思い出す。
母方の祖父が地学が専門の高校教師(山師の専門学校を出ている)だったのでいろいろな鉱物などに詳しかった。母が旅行が好きで、父にボーナスが出ると年に二回ほど泊まりの家族旅行に行った。そのたびに珍しそうな石を見つけては帰っていたらそこそこのコレクションになった。街の図書館で鉱物辞典を借りてその石の種類を自分なりに鑑定した。祖父にそれを見せて確認して、間違いを正してもらい、夏休みの自由研究の課題に提出したこともある。地味なので注目されなかったが、自慢の報告だった。あの標本はどうなったのだろうか。
特に思い出すのは白い大理石だ。ただの白いざらざらした石にしか見えないが、変成岩だから硬くて密度も高く重みがある。これを水で濡らすとにわかに魅力が増す。キラキラと輝きだし、心持ち半透明な外見に変わる。どこで見つけたのか今となっては思い出せない。あの石だけはいま手元にあったら良かったのに、と思う。
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