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2017年4月24日 (月)

新都市構想

 中国政府は北京の南西100キロで天津の西100キロの場所に大規模な新都市を建設することを決定した。当初は100平方キロ程度の規模の都市を建設し、最終的には東京都と同じ程度の2000平方キロに拡げるのだそうだ。

 この計画は「千年の大計」と名付けられ、鄧小平が進めた深圳経済特区、江沢民が進めた上海浦東新区に続くものだとしている。それぞれの特区の成功の功績は高く評価されているから、習近平はこの新都市構想で成功を収めて名を残したいと考えているに違いない。なにしろ毛沢東、鄧小平に次ぐ、中国の核心的人物と自分を位置づけたいらしいから。

 すでに北京はあまりに人口集中して巨大化しすぎ、インフラが追いついていない。官庁などを新都市に移して分散させ、公害や交通渋滞を緩和するというのが表向きの目的だろう。新都市構想の場所は河北省の開発が進んでいない地区だと云う。すでにその土地で一財産造ろうというする連中は手を打った後だろうが、実態経済がすでに停滞して投資だけで牽引されている中国経済がこんなことで上向くとは思えない。

 投資したらその資金は回収しなければならない。中国では地方自治体は破綻寸前である。投資に投資を重ねてバブルそのものである。そんな時にさらにこのような新都市構想などを打ち出して大丈夫なのだろうか。見かけ上は破綻の先送りがされたようになるだろう。しかし破綻の規模がその分大きくなりはしないか。

 その前後のニュースでは、中国に長期滞在中の欧米のビジネスマンたちが帰国したり、滞在期間の短縮を始めていると伝えている。もちろん公害のひどさや食品の安全性の懸念に嫌気がさしているからである。本国から交代要員として派遣を命じられても拒否するケースも多く、要員が確保できない会社が増えている、となんと中国のメディアが伝えているのだ。

 そこでそのような役割を中国人が担うことになっていると云うが、それは中国にとってめでたいことなのだろう。しかしそうしてもともとの国との人的交流が薄れると云うことは、撤退の下準備につながる。中国も薄々気がついているはずだ。

 人件費の高騰もあり、中国が世界の生産工場である時代はそろそろ幕を閉じようとしているようだ。たいていの会社は中国が豊かになり、中国の内需が振興することを期待して多少の理不尽を我慢してきた。ところが中国の金は内需に廻るよりも投資に向かっている。実態経済をはるかに超えて投資が続けられればいつかは破綻する。賢い中国人のことだからソフトランディングするに違いないが、曲がり角が見えているような気がする。

 早く見たいなあ、曲がり角。日本もとばっちりを食うだろうが、私自身がそれほどひどい目に遭わないなら少々のことは我慢して、高みの見物を決め込みたい。待ち遠しいなあ。

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コメント

おはようございます
先日は私の拙すぎる文章を見ていただきありがとうございます。
もうどなたでもご存知のことだとは思いますが、中国は公共投資で漸く一息ついているという有様だそうで。あの有名な「一帯一路」計画も所詮は中国でやりきれなくなった公共事業を世界に広げることに過ぎないと言います。人口ボーナスもすでに2015年までに使い切ったそうですからまさにあの国は”登り切ってもいないのに下り坂”の状態である可能性が極めて強いと思います。
北朝鮮の動向も心配ですが、それにも増して中国のそれが心配ですし、マスコミもこれに切り込むべきでしょう。
では、
shinzei拝

shinzei様
習近平がトランプに屈したのは、たぶん中国の状況がそれほど深刻だと云うことなのでしょう。
中国が無理な経済成長を持続させているのは、不自然な体勢を維持しようとするからで、経済が失速すると自分の身が危ういのだと思います。

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