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2017年4月10日 (月)

旅上手

 テレビ番組の中で、旅番組を観るのが好きだ。旅番組はとても多いけれど、面白く感じるものとつまらないものとがある。それは行き先に魅力を感じるかどうかということもあるだろう。これは人によって違う。

 海外旅行なら、私はアジア旅行の番組を優先的に観る。自分が行っているのもほとんどがアジアである。なにより行きやすいし、同じアジア人としての親和性も感じる。そういう意味では意外性を楽しむというよりも、なんとなく昔の日本を見るような、ある種のなつかしさを感じることを楽しむ。

 もちろん似ていると思うのは思い込みの部分があり、じつは違う面の方が多いのかも知れない。その違いを識るにはまず親和性を感じるというところから始めるというのが私流だ。手がかりのあるところから親しみ、そしてこそ違いに気がつけるということだ。いきなり全く違うものの中からむりやり同じものを見ようとするやり方は、それこそ人類みな兄弟、みたいな無理矢理な思い込みから始まっているようで、なじめない。

 楽しめる旅番組は旅人によって魅力的だったりつまらないものになったりする。見るものも見ずに騒がしいだけの旅人が出てくると興ざめだ。

 最近カンボジアとミャンマーを旅行する番組がいくつも続いて、どれも面白く観た。どちらの国もこれから急成長するエネルギーを感じさせる国であり、同時に地方はまだ純朴で、私の子どものころの日本を見るようななつかしさと人の温かさを感じる。共に仏教国であることとその温かさに大いに関係があるのではないかと思う。

 ミャンマーを旅する番組の一つでは、鶴田真由が旅人であった。前後編に別れていて、前編は列車で南から北への旅、後編は北からエーヤワディ川(イラワジ川)を下る旅であった。ミャンマーが仏教遺跡にあふれ文化豊かな国であること、人々が礼節にあふれて優しく温かいことが見て取れてとても良い番組だった。

 これは旅人である鶴田真由の手柄であろう。彼女の笑顔と人なつっこさが見知らぬ人の笑顔を引き出すのだと思う。彼女は田舎の食べ物を食べるのに躊躇をしない。食べたことのないものでも、そして必ずしも衛生的ではない状態で調理されたものでもためらわずにおいしそうに食べる。見ていて気持ちが良い。

 田舎の民家に泊まることもある。私が気になるのはトイレである。東南アジアの農家などで泊まったらどんなトイレなのだろうか。旅慣れない人なら出るものも出なくなるかも知れない。何でも食べることが出来ること、健康であること、トイレがどんなところでも平気なこと、それが海外旅行での旅上手というものだろう。

 それを鶴田真由は感じさせてくれる。彼女の大きな目で見つめられ、にっこりとほほえまれたら、心を開かないでいられないだろう。もちろん旅番組だから、あんなふうに会っていきなり家に寄せてもらえることばかりはなくて、いろいろスタッフが交渉したりしていることもあるのだろうけれど、それはそれでかまわない。

 私もそんな旅上手になりたいと思いながら、でもトイレ一つとってもなかなか海外の田舎のトイレには躊躇するだろうなあ。それでもカンボジアとミャンマーには行ってみたいなあ、と思った。

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コメント

OKCHANさん
の旅番組
アポ無しは、旅人の性格が出るから面白い。
大嫌いになる俳優さんもいるよ。
今では、田舎でも下水道が出来ていますが、
未だに、トイレを、畑や、田んぼに入れているよ。
自衛隊さんは、1番に演習内に大きな穴を掘るよ。
トイレットペーパー=落とし紙。
日本人なら、高齢者さんはたぶん大丈夫

こどもの頃は、汲み取り式の便所でした。洋式のトイレでは用が足せなかったことがありましたが
今は、シャワートイレでないとダメになりました。たまの旅行もチェックポイントはシャワートイレが
最優先になってしまいました。

ちかよ様
小学生の時、担任の教師の家に泊めてもらいましたが、先生の家は農家だったので、寝ているところからずっと離れたところにあるトイレに行くのが怖くて必死で我慢したことを思い出します。
トイレは旅で一番心配なことになってしまい、我ながら軟弱になったと嘆いています。

けんこう館様
慣れてしまって便座式のトイレでなければ用を足すのが困難になっています。
年をとって和式のトイレにしゃがむのはとても辛いもので、昔の年寄りはよくあれで用が足せたものだと思います。
私も最近は温水トイレがあるかどうかで宿泊先を選ぶようになりました。
しかし海外ではまずシャワートイレはありません。
海外旅行はそれが一番の難点です。
意気地がなくなりました。

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