中国はどうしていいか分からなくなっているのだろうか
以下はネット記事から
中国共産党機関紙「人民日報」の姉妹紙である環球時報とグローバルタイムズは19日、「韓半島(朝鮮半島)の緊張情勢は韓国にも責任がある」という論評を通じてこのように主張した。これらメディアはまず、「北核問題に対する韓国の態度は大変重要だ」とし「韓国は現在の緊張状況に対して一部非難を受ける必要がある」と指摘した。
続いて「韓国を一方的な犠牲者と見るべきではなく、最近の状況展開において、韓国は状況を安定させるどころか緊張をあおる方向に進んだ」としながら「中国が提案した北朝鮮の核・ミサイル挑発と韓米合同軍事演習の同時中断に対して、米国は消極的に反応したが、韓国の拒絶はより断固としたものだった」と非難した。
また「韓国は戦争が起きれば苦痛を味わうことになる。戦争中に北朝鮮政権が崩壊して韓国が韓半島を統一できるなどという幻想は持つべきではない」とし「中国は韓半島問題において武力の使用を反対し、韓国の保守勢力が北朝鮮に向かって無分別に行動すれば、明らかに逆効果となるだろう」と強調した。
中国は、韓国の北朝鮮に対する姿勢がくるくると変わることが北朝鮮を暴走させているのだと言わんばかりであるが、そもそも韓国がそういう国であることは、いままで歴史的に幾多の経験をしてよく承知しているだろうに、いまさらよくいうよ、である。
暗に韓米合同軍事演習とTHAAD配備をやめていれば北朝鮮の対応も違ったと言いたいのだろうが、北朝鮮が相手が引いたから自分も引く、などという国ではないことは中国だって分かっているはずだ。そもそも中国という国こそが、相手が引けば自分がさらに押していく、という行動を日本を相手に見せているではないか。北朝鮮はそれを模範としているのだろう。
こういう記事で中国は韓国に何らかのメッセージを送っているのだろうが、現に北朝鮮の暴発に危機感を募らせ始めた韓国国民がこれをどう受け止めるだろうか。ある意味では大統領選挙に対する文在寅候補への応援のつもりかも知れないが、逆効果のように思える。
どうも近頃中国の出すさまざまなシグナルはばらばらで、どうしていいのか分からないように見える。相手がそのシグナルをどう受け取ったかで対応を考えるつもりかも知れないが、なにを始めるのかわからないトランプ大統領と金正恩、それに誰も責任者として方針を出すことができない韓国の状態に対して反応を見たところでなにも答えは得られないだろう。
答えは中国自らが出すしかないことを承知の上で先延ばししているのだろうか。それを見越してロシアは面白がって北朝鮮支援に乗りだしている。食えない国だ。
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コメント
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おはようございます。
先日は私の文章を見ていただきありがとうございます。
そもそも歴史的に見ても中国がこういったことで効果的な主導権を発揮したのは古代だけで、それも朝鮮半島だけだと言います。
それ以外の時代は中国といえども決してイニシアチブを発揮したことがないのが実情です。
まあ、ひどいことを言ってしまいますが中国も巷で言われているほど国際外交が上手な国ではなさそうですね・・・。
では、
shinzei拝
投稿: shinzei | 2017年4月21日 (金) 05時27分
shinzei様
韓国がこの記事に強く反論していたようです。
習近平政権は後世、時代錯誤的な政権として批判されるような気がします。
中国は大きな曲がり角にいることは世界中が、そして中国自身が感じていることですが、その変化になにを優先して国を運営するのか、そのことがそもそも分かっていないのかも知れません。
変化に対応することよりも変化を押しとどめようとすることで、体制維持を図っているのでしょうが、それがいつまでも可能なはずがありません。
投稿: OKCHAN | 2017年4月21日 (金) 05時45分
良いのか悪いのかわかりませんが、トランプという人が出てきたおかげで中国の正体がより見えて
きたように思います。
投稿: けんこう館 | 2017年4月21日 (金) 11時20分
けんこう館様
先手を打って恫喝し、妥協したように見せて実は実利を取る、というのが中国のやり方ですが、トランプ大統領に先手を打たれてしまって戸惑っているのでしょう。
こういう交渉は相手に斟酌(忖度?)しないほうが勝つようです。
日本人は苦手ですね。
でもそれが日本人のいいところでもあります。
投稿: OKCHAN | 2017年4月21日 (金) 14時17分