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2017年4月 1日 (土)

宗月代「橋」(纐纈城出版)

 「橋」とは隔てるものを渡すものである。人は橋を渡ることで自分のとらわれていた世界から一歩を踏み出す。その先には今よりも善いことがあるかどうか分からない。もしかしたらもっと不幸になるかもしれない。しかし橋を渡ることは間違いなく希望に向かうことだ。何があっても自分の意思で橋を渡ったのだから後悔はないだろう。

 ここには人生のさまざまな「橋」を渡った話や渡らなかった話が収められている。迷いに迷った末についに渡る者、ひょんなことから自分の世界から踏み出して向こう側に渡ってしまった者、ついに渡りきれなかった者や、橋が見出せなかったらしき者も描かれている。

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 橋を渡る前と渡って振り返って見た世界とが同じであることに幻滅する者もいるし、全く違う世界を見て戸惑う人もいる。それから彼、そして彼女はどうするか。それを想像させてくれることで読者にしみじみとした余韻を感じさせる。

 人生にはさまざまな岐路がある。どちらを選ぶか迷うが、どちらかを選ばなければならない。同時に二つの道を行くことは出来ないし、もどることも出来ないのが人生だ。そんな分かれ道も「橋」に似ている。分かれ道の一方を選ぶことは新しい自分の生き方を選ぶことで、それを「橋」というかたちで表しているのだろうか。

 まったく無名の人(出版社も初めて見た)の本をたまたま見つけて手にとって、意外な読む楽しみを味あわせてもらった。

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コメント

おはようございます。
先日は私の拙い曽野綾子さんや、佐藤優氏への批評を見ていただきありがとうございます。
こういったマイナーな出版社にもいい本がありますね。
しかし、こういった本を扱う本屋は、相当大きい本屋か、そうでなければ相当目利きのいい書店員がいる本屋に限られます。
そういった本屋が少なくなっているのも悲しいですし寂しいですね・・・。
では、
shinzei拝

Shinzei様
申し訳ありませんでした。
朝の記事はエイプリルフールのジョークでした。
「橋」について書かれたいい本がたくさんあるので、それを想定してでっち上げました。
気を悪くなさらないでください。

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