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2017年5月 4日 (木)

自虐史観の原点

 先般、渡部昇一氏が亡くなった。そのときに思い出したのが、なぜアメリカは東京裁判を初めとして、日本が戦時中に行った行為をことさらに残虐非道と決めつけたのか、氏が興味ある解釈をしていたことだ。

 戦争時には残虐行為事件がしばしば発生する。人間がこんなひどいことをするのかと驚くような信じられないようなことが行われる。平常時でも歯止めの欠けた人間による残虐な事件が起こるのであるから、戦時となればその頻度は上がる。そしてそれはどの軍隊にも多かれ少なかれ発生することで、人間の暴力が正当化されてむき出しになれば当然のことなので、だから戦争は恐ろしい。

 それはアメリカも分かっていたのに、ことさらに日本軍の悪逆非道を世界に喧伝した。まるで日本軍だけが鬼畜のような軍隊だったかのような宣伝を行った。それはなぜなのか、というわけである。

 アメリカは日本の主な都市に空襲を繰り返し行った。東京大空襲ではひと晩で10万人が死んだ。死なずに済んでも住まいや財産を失った人の数はそれに何倍する。私の母は千葉市で空襲に遭い、友人を多く失い、焼け出されて逃げ惑った話は何度も聞いた。前ブログに森銑三氏を紹介したが、彼も長年にわたって集めた貴重な古書や資料、蔵書を失った。

 ほとんどが一般市民である。そして広島、長崎に原爆が投下された。瞬時に何万人という人間が命を失った。こちらもほとんどが一般市民である。

 如何に戦争の終結勝利の為とはいえ、戦うすべのない一般市民を大量殺戮したのである。それに対する疚しい思いがアメリカになかろうはずがない。それにそのことを思えば日本人もいつかまたアメリカに対して復讐の念を抱くだろう。それは恐ろしいことである。

 アメリカは自分の残虐行為から眼を逸らすために日本軍の行った残虐行為を針小棒大に取り上げて喧伝した。そしてそのような戦争をもたらした軍部や政府の責任者を裁き、彼等のせいで戦争が起こされたと決めつけた。日本人はアメリカを恨むより戦犯とされた人々を恨んだ。

 そしてそのアメリカのプロパガンダは中国と韓国に自国の政権の正当性を根拠づけることになった。反日教育はそこから始まったのである。日本人はどこの国より徹底的に戦争に負けた。心が折れるほどの思いをした。だから平和憲法であり、戦争を論じることすら非難し、第9条改定絶対反対なのである。そして靖国参拝問題も同根である。

 渡部昇一氏は、アメリカは自分の非を直視できないから日本を悪者にしたと云う見方を呈示した。その呪縛から日本人が再度立ち上がらないと、自虐史観からの脱出はできないだろうと考えたのだ。

 こう書いたからと云って、再度日本が軍国主義に突き進むべきだとか、あの戦争は正しかったなどと言いたいのではない。すぐそのように受け取って短絡的に非難する者は、アメリカの遺したプロパガンダにまだ束縛されているのではないか。

 戦争がどれほど悲惨なものであるか、戦争の歴史と直に向き合って知ることを怠ると、また同じことが起きてしまいかねない。そのことの自戒を込めて氏はそのような見方を呈示したのであろう。

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コメント

平和を唱える人達は、米国海軍を護衛している海上自衛隊に対しての反対運動はしないのでしょうか?平和憲法・自虐史観に 「?」 を感じ行動が鈍り始めてるようです。

けんこう館様
平和を唱える人たちがどれほど近代史の勉強をしているのか疑問です。
学校教育での日本史は近代以降をほとんど教えません。
試験にあまり出ないからです。
イデオロギーが絡んでややこしくなることを出題者が嫌うからだとも云います。
だから彼等の頭の中の日本の近代史は自虐史観に染め上げられて洗脳されてしまっているのではないかと思います。
そのような知性の不足した人ほど、いったん軍国主義が勃興すると真っ先に暴走する人たちだと云うことを我々は歴史で学んでいるのですが。

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