中国崩壊論
中国のメディアによれば、中国崩壊論を書いた本が日本で急激に売れなくなっているのだという。それは日本のどこかの記事から引用して取りあげたものらしいが、詳しいことは分からない。多分そう言うのだからそうなのだろう。
それは崩壊する、崩壊する、といいながら中国の経済は少しも停滞も衰退もしていないで、ますます元気な現実を目の当たりに見せられてのことであろうと論評していた。
中国の統計数字が正しいとすれば、その通りである。それにいくら中国の統計数字が疑わしいとはいえ、言い訳が効かないほど矛盾している数字はまさか出さないだろう。ただ、中国のGDPに対する国内実質消費の割合が低いこと、投資が過剰ではないかと見られることは不安材料であることは崩壊論者の指摘するところである。
中国崩壊論にも数々あって(ずいぶんいろいろ読んできた)感情的に明日にも崩壊するという極端なものから、問題点を列記して次第に崩壊点に近づいていると予言するものなどさまざまである。読むに絶えない、感情的でたったひとつふたつの事柄からすべてを決めつけるものは論外として、中国経済の問題点は根拠を挙げてあれば一応説得力を感じる。
ただ、中国には国民の数が多いから、優秀な人たちもたくさんいて、それらの問題点を承知していることは間違いない。放置はせずにその対策を必死で講じているはずである。そしてその対策が奏功すればソフトランディングして、正真正銘の先進国の仲間入りすることに成功するだろう。
ところで中国に腐敗が蔓延していることは衆目の認めるところであり、習近平政権も百万人を超える公務員の処罰をした、と功績として発表しているのは、中国社会に腐敗が蔓延している事実を認めていることでもある。腐敗は何も生み出さない社会のコストで、それは経済を蝕んでいる。
ただ、考え方を変えれば、腐敗を摘発して少しでも減らせば、社会のコストダウンが打ち出の小槌のように達成できるということで、腐敗もひとつの社会のゆとりなのかもしれない。ブラックユーモアである。
腐敗、少子高齢化、人件費の高騰による競争力の低下など、中国の抱える問題点は山のようにあるが、それは中国に限ったことでもない。ただ極端なところがあるだけである。それを乗り越えるかどうかが、崩壊論とさらなる成長をするという論との境目であって、それはこれから中期的な推移を見なければ誰にも分からない。
中国崩壊論を中国の問題点のみを取りあげた読み物としてみることは、中国は安泰だこのまま発展すると無責任に言い立てる楽観論を書き連ねた本(不思議なことに、得てしてそのような本はたいてい日本に対して極めて悲観的である)が中国の統計値を無批判に信じて、矛盾があっても目をつぶり論を立てていることが多いから、それを補整して読むためにも役に立つ。疑うことも予測には必要なのである。
私がどう中国の将来を予想しようと屁の突っ張りにもならないが、少なくともニュースを見るときの楽しみは増える。中国崩壊論の売れ行きが減少しているのは、雑な本が淘汰されているからだろうと推察する。それなりに読みごたえのあるものは、これからも出版されるし読む人も必ずいるだろう。
そもそも中国崩壊論という括りがマスコミの客寄せネーミングであることもしばしばで、帯に書いてあることはたいてい刺激的で過激であって、内容は冷静で理知的なものも多いのである。たくさん読んだ私が言うのだから間違いない。ただし、中国の将来に楽観的な人は、おもしろいことに中国崩壊論を読まない。逆もそうだからお互い様だけれど。
明日から中国・雲南省に旅行。関空出発なので今日、大阪に入る。ガラケーしか持参しないので、記事の更新はしばらく出来ない。ただ事前に埋め草の記事をいくつか書き残しておく。この記事も含めて、欄は閉じていないが、コメントをいただいてもお返しするのは帰ってからになるので少し先になる。あしからず。
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おはようございます
先日は私の拙い文章を見ていただきありがとうございます。
そうですか・・・。つい最近までは「中国ダメになる」本は売れている、と知り合いの編集者から聞いていたのですが・・・。それなら日本人もようやく本当の中国を見ようとしている、そして現実から逃げるのを止めているということで多少は安心しました。
しかし、エマニュエル・トッド氏でしたでしょうか?彼は「中国はどちらに転んでもベストシナリオどころかベターなシナリオが考えられない」と言っていたような記憶があります。不確かなのですが・・・。
では、
shinzei拝
投稿: shinzei | 2017年10月31日 (火) 06時39分
shinzei様
中国の国民は不満はあるでしょうが、体制が崩壊することによる混乱となれば現状以上に暮らしにくい状況になることも分かっているでしょう。
それを敢えて望むとは思えませんから体制は当分現状維持だと思います。
世界も中国の崩壊による混乱は影響が大きすぎるからそれを望まないと思います。
ただし、崩壊した方がましだ、というようなほど問題が顕在化すればそのときは分かりません。
ただ、投資偏重がどのように今後の中国経済に影響するのか、それをどうコントロールするのか、習近平政権の宿題でしょうね。
それは国有企業をどうするかということで、それこそ共産党をどうするかということと同義でもあります。
投稿: OKCHAN | 2017年10月31日 (火) 07時33分
おはようございます。
つい思ってしまったことなのですが、おっしゃる通り「中国ダメになる」本が売れなくなっていることを考えると、これは考えたくないのですが中国本自体売れなくなっている、つまり日本人の中国への関心が薄くなっているどころか、無くなっていることではないでしょうか?だとしたらますます日本および日本人が現実から逃げている、という危機感を感じてしまいます。
では、
shinzei拝
投稿: shinzei | 2017年10月31日 (火) 07時48分
shinzei様
中国に関心がなくなっているという傾向はあるかもしれません。
中国へ行く日本人観光客は減り続けていて、ツアーも激減しています。
今回の雲南省の旅行もツアーがないので、自分で計画を立てた個人旅行です。
中国に関するニュースも以前からみると明らかに減っていますね。
報じないのか報じる材料がないのか報じることが制限されているのか、それらの理由で情報が減れば関心も減少することになっているのかもしれません。
投稿: OKCHAN | 2017年10月31日 (火) 09時08分
「日本人は、中国には関心がない」 と中国が思うくらいの態度が良いとは思いますが、
中国崩壊論も続いていかないと、難民・移民対策で後悔する事態になるのではと心配になります。
それでは、無事に旅行を楽しいで下さい。
投稿: けんこう館 | 2017年10月31日 (火) 12時52分
こんにちは。
おでかけなのですね?
明日から
どうぞお気を付けて、楽しいご旅行となりますように・・・。
帰国されてからのブログを楽しみにお待ちしております。
行ってらっしゃいませ。
投稿: マコママ | 2017年10月31日 (火) 13時44分