良い兆候なのだろうか
日韓の慰安婦合意につい韓国の外務省が検証した結果が発表された。先日韓国の外相が日本に来たときに、当初今回の検証は政府が行うものではなく、民間が行っているものだから政府は関係ないとも取れる発言をしていたが、文在寅政権の外務省の下部機関が政府の指示で行ったもので、言い訳のためとはいえああいう公然たる嘘は見苦しい。
文在寅政権はこの検証結果を基に日本と再交渉をして国民の喝采を受けようとしているのだろうが、政権維持のためとはいえあまりにも安直な手法に、またかとうんざりする。
慰安婦合意は日本人も驚いたことで、喜ばしいこととはいえ信じられない思いがした。同時にこれはまた韓国で物議が生じ、合意がひっくり返されるだろうなあという予感もあった。
予感の通り、二年経って新政権は再びそれを見直す動きを見せているわけである。政府と政府の間で行った合意を国民が納得しないから見直すというのは筋が通らない。これでは政府どおしのとり決めは常に不確かなものになってしまう。この場合は、とり決めをした政府が不満を持つ国民を説得するのが筋だろう。合意を見直して新たなとり決めをしたところで再び三度見直すことが考えられたら、交渉には意味がないことになる。韓国とのとり決めは常になし崩し的な見直しが常だった。だからこその「不可逆的」の文言だったのだろう。
だから今回の検証がどうあれ、慰安婦問題はすでに韓国の国内問題である。ところが何たることか、合意にいたる非公開部分を公開するという、信じられないことを韓国外務省は行った。外交に非公開の部分があるのは必然的なもので、それを公開しないのは常識である。
さすがに韓国の新聞各紙は右派左派問わずにその点は間違いではないかと指摘している。韓国の信用を損ない、日韓関係に重大なマイナスだと報じている。当たり前のことを当たり前に言っているけれど、いままでなかったことなのでそれにも驚いた。これは良い兆候なのだろうか。
国際的に非常識でも日本に対してだけは何をしても良いというのが韓国ではないかと日本人の多くは感じている。それなら韓国とのつき合いは必要最小限にすべきだとさらに思うのは自然な感情だろう。
韓国をよく知る人は、韓国の多くの人々はそこまで反日的ではないと言うが、今回の文在寅大統領の日本に対する言動は、はたして韓国の人々にどう見えているのだろう。彼の支持率は今回のことでさらに上昇するのだろうか。それなら日本は彼が政権を担っている間は韓国に希望がもてない。
韓国の外相が日本に来た目的は、第一に安倍首相の平昌オリンピックの開会式への参列要請であったといわれる。安倍首相も国会期間中ではあるが参加を検討する、と答えていたようだ。しかし今回のことで、国民感情を考慮すれば「国会会期中だから参加は無理である」との解答をせざるを得ないだろう。
そうなったところで、元々韓国のあの女性外相は文在寅大統領以上に反日左翼と噂されているから、別に何とも思わないことであろう。
平昌オリンピックにトランプ大統領は行くのだろうか。まず行かないだろうと思う。そうなると習近平とプーチンが主賓として貴賓席に並ぶオリンピックになるわけで、文在寅としてはもっとも理想的な晴れ舞台となるわけだ。
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