ノーショー
ノーショーとはNo Showで、約束の不履行をいうが、最近は予約の無断キャンセルのことをいう。飲食店などで連絡もなしに予約客が来ないことでの損失は大きい。ちゃんとキャンセルの連絡があれば他の客で埋めることが出来たから書き入れ時などには罪が重いが、たいていそのような客は、咎められても信じられないことに平然としているという。
しばしばそういう人間ほど一方的にクレームをつけたりする。法的な制裁を受けることもほとんどないから、店側の泣き寝入りである。店の立場を考慮する、という思考回路がないのであろう。相手の立場に立って思考することが出来るのが大人というもので、そういう大人たちによって社会は円滑に廻るものなのだが、そういう未成熟なバカモノが社会に大きな損失を与えている。
韓国の平昌オリンピックにはさまざまな懸念があるが、北朝鮮とアメリカの軍事行動の勃発の懸念はともかく、このノーショー問題が懸念されているらしい。
平昌オリンピックのチケットがなかなか売れていないというニュースがしばしば伝えられていた。遠くて不便、宿泊費が高い、寒い、などは冬季オリンピックだから仕方がない面があるが、そもそも韓国では冬季オリンピックの種目についての認知度が低い。スピードスケートやスケートのトラック競技以外はあまり競技選手がいないし、なじみもないのである。
それなら余程なじむような努力をして盛り上げないといけないのだが、それが不足しているのだろうか、10月時点でチケットは31%しか売れていなかった。このチケットを買った人は自分の意志で買ったであろうから来る可能性が高い。それが11月には一気に53%の販売率となった。これはあまりの売れ行きの鈍さに、地方自治体や民間企業、一部学校に強制的に買い取らせたものらしい。
つまり自発的ではなく、経費でチケットを買い取らせているわけで、そのチケットはただで配られる可能性が高い。ただでもらったチケットで平昌に行くか行かないか、それは当人の気分次第である。
そもそも韓国では日本以上にノーショーが当たり前の国だという。自分は行かないから行きたい人に何とかチケットを活かして、という発想がない可能性が高い。
下手をするとテレビのオリンピックの映像では空席の目立つ観客席が映されることになるかもしれないと主催者は心配しているのである。
韓国のノーショーの驚くべき話。聖火ランナーに決まった人の一割が当日何の連絡もなしに現れないのだそうだ。そのために予備の人間を手当てしておくのが当たり前になっているという。さらにボランティアにエントリーしているのに当日に何の連絡もなしに来ない人の割合はそれ以上だというから呆れてしまう。
そういう文化であり民族性なのだ、などという話はこの場合通用しないのではないだろうか。約束を守らなくても平気な人が一割以上いる国、なるほどそうかと誰もが思い当たるであろう。
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国民性がどうであれ解決策はあるようです。
スマホの予約と決済機能、そして何よりも身分証明書代わりのスマホの「信用評価システム」を組み合わせたアリペイなどのシステムは、こうした問題を <あの中国ですら> 一気に解決しつつあります。 先日の雲南旅行で目撃させたのではないでしょうか?
中国版UberやAirbnbを横目に見つつ、依然として既得権保護傾向の強い日本の現状に危機感を感じます。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/4932/trackback
投稿: Hiroshi | 2017年12月16日 (土) 17時48分
Hiroshi様
おっしゃるように、中国でのスマホの高度な使用システムは日本よりはるかに進んでいるようでした。
確かに予約をした者が相手に確定されればいまよりも責任が明確になるでしょうね。
今の時代の多くの問題が匿名性から生じているように思います。
投稿: OKCHAN | 2017年12月16日 (土) 20時23分