吹きだまり
夕方から風が強くなった。梢の雪はほとんど吹き払われる。そのときに一面が真っ白になる。そうして思わぬところが吹きだまりになり、信じられないほどの雪の山になっていく。
むかし年下の同僚が仕事で得意先の工場を訪問したあと、車で吹きだまりに突っ込んでしまった。地吹雪でよく見えなかったのであろう。悪戦苦闘すること一時間余り、たまたまその工場の人が用事で出かけて通りかかり、それに気がついた。
工場の手の空いている人たちが総出でたちまちのうちに彼とその車を救出した。
「歩いて五分もかからないところなのだから、すぐたすけを求めれば良いのに・・・」、とその会社の社長があとで私にそう言った。
得意先に面倒をかけることは借りを作ることだ、と同僚は考えたのだろう。申し訳ないと思ったらしい。
しかし私の考えは違う。得意先に借りを作ることに全くためらいはない。借りは返せば良いのである。ときには借りた以上に返すことが出来る。営業としてこんなチャンスはないのである。得意先がこちらに負い目を感じるようなことこそが避けるべきことで、相手が優位に立ったことを喜んでくれればそんなありがたいことはないのである。
宿の窓から吹雪いている外の景色を眺めながらそんなことを思い出していた。明日は名古屋に帰る日だが、今晩は名古屋も雪らしい。明日は無事帰れるだろうか。
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『借りは返せば良いのである。ときには借りた以上に返すことが出来る』
とても参考になりました。ありがとうございます。
投稿: けんこう館 | 2018年1月25日 (木) 09時49分
けんこう館様
前向きに考えるようにしています。
遠慮はかえって他人との距離を遠ざけます。
投稿: OKCHAN | 2018年1月25日 (木) 15時21分