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2018年2月23日 (金)

非友好的な敵国

 人に嫌われようと思ったらその人を嫌いになればよい。よほど鈍感な人でない限り、相手が自分を嫌っていることは分かるものだ。

「韓国の情報サイトが大学生を対象に、韓国の友好国と非友好国のアンケート調査をしたら、『韓国と非友好的な敵国』として日本を挙げたのが54.3%で北朝鮮は21.4%だった」、という記事を引用して韓国のメンタリティーを論じていた週刊ポストの記事がネットで報じられていた。

 ここでさまざまなことを思った。

 まず韓国の若い人が日本を嫌っているというのは本当らしいということ。実は韓国のマスコミがいうほど韓国の人たちは日本を嫌ってなどいないということをしばしば聞かされる。マスコミが反日をあおってそのようにいうだけかと思ったりもしていた。特に若い人は日本の文化にも接しているから、年の行った人よりも日本嫌いは少ないのかなとも思っていたけれど、やはり過半数が日本を嫌っているらしいように思える数字である。

 個人的な実感でも、最近韓国に対してあまり好感を持てなくなってきた人が増えているように感じている。それは韓国の話としてあまりにも頻繁に「日本が嫌いだ」、というメッセージを受け続けているからだろう。記事では、韓国で作られる映画の例が挙げられていて、北朝鮮の人は純粋無垢な存在として描かれることが多く、日本を扱う映画ではことごとく反日的なものになっている、としている。

 そういう刷り込みが繰り返し行われ、しかも教育でも偏った歴史教育を受けて育てば、日本が「非友好的な敵国」だと大学生の過半数が考えるのは当然なのかなとも思える。

 しかし不思議なことに日本を訪れる韓国の人々は急増している。敵情視察なのであろうか。

 また、日本のマスコミもことさら反日行動を針小棒大に取りあげるきらいもある。日本大使館前に五十人ほどのデモがあっても、国を挙げて反日行動をしているように報じることもある。この辺は複雑で、韓国にシンパシーを感じるから反日行動を取りあげる場合がしばしばあることだ。日本は悪いことをしたから韓国が反日行動をするのは当然なのだ、という論理で反日行動を過剰に報じているきらいがある。そもそもそのような報じ方をするマスコミは日本が嫌いなのかもしれない。

 そんなことを考えながら記事をよく見たら、もともとのアンケートをしたのが2012年の8月とある。そんな古いデータをもとに論じている週刊ポストの記事もどうかと思ったが、多分いいたいことが先にあって、それに都合の良いデータを探して使用したのだろう。

 ところでいま同じアンケートをしたら、はたして結果はどうなのだろうか。日本に来る人が増えた分、「韓国に非友好的な敵国」と考える大学生は減っているのだろうか、それともさらに増えているのだろうか。日本人の韓国に不快感を持つ人は間違いなく増えていると思うが、韓国の人は、なぜ日本が韓国を嫌うのか分からないという話も聞いたことがある。不思議な心性である。理由は分かるけれど。

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コメント

おはようございます
先日は私の拙い読書論を見ていただきありがとうございます。
短期留学などで何回か韓国に行ったことがありますし「反日デモ」と称するものも数回見たことがあります。実際のそれはおっしゃる通り、数十人のデモ隊が警察官に囲まれて騒いでいるだけで、大多数の韓国人は「またやっているよ。飽きないねえ」といった感じでした。
また、今はどうかはわかりませんが少なくとも私の頃は今と同じように新聞で「韓国人は反日だ」と言われていましたが、実際には「日本は外国の一つだ」という認識を持つ韓国人が多く、意外に”客観的に”日本を見据えているのに驚いたことがあります。ですからおっしゃる通り「どうして日本人は我々が嫌いなのか?」という韓国人が多いのだと思います。では、
shinzei拝

shinzei様
韓国を知るshinzeiさんがそう言うのだから事実そうなのだと思います。
それならどうしてこのようなアンケート結果になるのでしょう。
アンケートをした組織に何か意図的なものがあったのかもしれませんね。
反日であることが普通なのだと知らせることで反日に導く、などが考えられますが、それを承知でそのデータを引用する週刊ポストの記事という見立ても可能ですね。
朝日新聞のアンケートと同様、ことほどアンケートというのは信用できません。
数字的根拠を示すようで実は不確か、というのはまことに恐ろしいことです。

アンケートは難しいですね。毎年大学1年生を対象にかなり詳しいアンケートを取っていますが、基本アンケートは自己申告なので「意識の変化」で本来変らないはずのようなことでも変わったようにみえることもあるようです。(ここでは人種)
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/68/trackback

それと、普通は無記名ですが、これを個人が特定できるような形でアンケートを行うとアンケートで聞いたこと以外の結果も類推できることもあります。 例えば自己学習用のwebサイト利用頻度と学業成績の関係では教育効果がないのに、自己申告させて「有効だったかどうか」と問うと「教育効果があった」かのような結果が誘導できることも経験済みです(笑)。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/5128/trackback

個人的には、アンケートは「あてにならない」と考えるよりも、継続的に長く続けていると <質問したこと以外の真実が見えてくる> と積極的に考えるようにしています(笑)

Hiroshi様
アンケートの設問やどういう人たちをどういう方法で選別したかによって、結果が変わることがあるはずです。
なにかの結論を導くためにするアンケートがしばしば散見され、うっかりすると惑わされることがあります。
バイアスを知るためには以前のものとの比較や他の組織のアンケートとの比較なども見る必要があるようです。
私はそのバイアスをつかんで、逆にその組織の傾向を推察するのも面白いと思っています。
各新聞社の調査結果にはその社の傾向がしばしば現れているようです。

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