会報
籍を置いていた会社のOB会があって、ささやかな会費を納めると季刊であるが会報が送られてくる。懐かしい人の投稿などもあり、楽しみにしている。みなそれぞれに元気に老後を楽しんでいるようだ。
会員の訃報も載せられている。元気でいたはずの人の突然の訃報に驚くことも多い。ふだん限られた人との交流しかないので、この会報が消息を知る唯一のよすがである。
今回送られてきたその会報にある人の夫婦旅行記が掲載されていた。会社では伝説の酒豪三人衆の一人として知られていて、私はその人を見て酒の飲み方を教えられた。酒は美味そうに飲む、美味いと心から思って飲む、いやなことがあったら飲まない、ということを知識ではなく、実践として見せられた。
その人と飲むと格別酒がうまく感じられるのである。酒がうまく感じられる人と飲む酒は格別で、人生の幸せはここに尽きる、などと思ったりする。私もそういう人でありたいと思っている。
若いころ、正月に兄貴分の人と二人でその人の家を訪ねて上がり込み、正月料理と酒をご馳走になった。自宅であることで油断したのか、酒豪が先に酔いつぶれた。後にも先にもその人が先に酩酊したのを見たのは初めてであった。夫人はとても美しく、そのときは正月だから紺絣の着物を着ていた。白い絣の部分にちょっとだけ赤い模様が入っていて、とても似合っていたのがいまも記憶に残っている。
結婚するならこんな女性と・・・と思ったものだが、人生は思いが叶う人とかなわない人とがいて、私はかなわないほうであったのが残念である。その美しい夫人と二人の旅行がとてもしあわせそうなのを文章から感じた。
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