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2018年2月27日 (火)

明の滅亡前後について(3)

飢饉の訴え(1)

・・・臣の郷里の延安府では、去年(崇帝元年・1628)から一年間雨が降らず、草木は枯れ焦がれてしまいました。八、九月頃、民は争って山間の蓬を採って食うのでありますが、その粒は糠の皮のようで、味は苦くて渋く、食ってもただ何とか死なぬように命を引き延ばすだけであります。十月以後になりますと、蓬も採り尽くされ、そこで木の皮を剥いで食います。いろいろな木の仲で楡の皮がいくらかうまいので、これには他の木の皮をまぜて食い、それでどうやら死を引き延ばすことができます。

 ところが年末までには、木の皮も採り尽くしてしまいました。そこで今度は山の中の石塊を掘り出して食うのです。石(珪藻土と思われる)は性が冷たくて味が腥く、少し食うと腹が膨れて下にさがり死ぬのです。民の中には石を食って死ぬことに甘んじないものもおり、結局そうした連中が集まって盗賊となるのでありまして、多少貯えのある民はついにその襲うところとなって、ひとつ残らず略奪される始末です。役人もこれを禁圧することができず、また逮捕されるものがあっても、彼らは恬として怪しむことを知らず、
「飢えのために死ぬのも、盗賊となって死ぬのも同じだ。このまま手をつかねて死ぬよりは、盗賊となって死んだ方がましだ。同じ亡霊でも満腹した亡霊になれるのだから」とうそぶきます。

 続く

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コメント

採りつくすというのが伝統文化なのでしょうか、最近では海の魚を細かい網で獲りつくしてるようです。砂漠化対策で日本の援助で植林しても、苗木が盗まれるという話を聞いたことがあります。

けんこう館様
中国にも譲り合うことのできる人はいますが、いまが良ければよいという人が多いのかもしれません。
将来のことを考える、ということが苦手なのでしょうか。
想像力が働きにくいか、働かせる余裕がないのか、厳しい歴史の積み重ねが我慢を許さなくなっているのかも知れません。

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