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2018年4月15日 (日)

映画寸評(3)

映画『ニューヨーク 2014』2013年アメリカ。
監督アレクサンダー・イエレン、出演クレイグ・シェイファー、デニス・ヘイスパート他。

 ケネディ空港の様子が映し出される。到着便から降りた女性が手続きに出てくるが具合が悪そうな様子を見せている。彼女はトイレに駆けこみ嘔吐するが、やがて痙攣がはじまり・・・。

 突然巨大な狼に似た獣が人々を襲う。あっという間に空港内は凄惨な状態になり、警察では対処できないため、軍隊が出動する事態となる。おそるおそる中をのぞきこむと、そこにはその獣が何十体もうろついていた。咬まれた人間は次々に人狼になっていくのだ。

 催眠ガスによって事態はようやく終息する。人狼となった人々はもとの人間に戻っている。原因はなんなのか、そして対処法はあるのか。やがてこれがウイルスによるものらしいことが判明するが、一番最初の罹患者は誰でどうしてそうなったのかが、対策の手がかりになると判断され、その捜査が始まるのだが。

 ところがこのウイルスを軍事目的に利用しようとする軍の暴走が始まる。対策を講じようと努力する人々と、軍の戦いが始まり、隔離されていた人々が再び人狼となってマンハッタンへ走り出す。パンデミックとなれば人類の破滅である。はたして人類の未来は守れるのか。

 黒人のアメリカ大統領のあまりの無能ぶりにあっけにとられるところがあるが、まあ観て面白くないこともない。他にも突っ込みどころ満載だが、こういう映画はそんなことに目くじらを立てていては楽しめないからよしとしよう。

『VR ミッション:25』2016年イギリス映画。
監督チャールズ・バーカー、出演マックス・ディーコン、モーフィールド・クラーク他。

 ゲームのランキングの高い者たちに次々に招待状が届く。ヴァーチャル・リアリティの体験が出来るというのである。25階建てのビルに集められた男女は不思議なプロテクターとヘルメットを支給される。そしてそれを装着すると現実が変貌する。

 彼らはそのビルに潜むテロリストたちを掃蕩することを求められる。面白がるも者、気味悪がる者、逃げ出そうとする者。やがて装着したヘルメットは決して外せないことを彼らは知ることになる。

 ゲームのはずがあまりにリアルな戦闘、そして被弾すると激しい苦痛が襲う。一度はプロテクターが守るが、二度目は死の苦しみが襲う。限られた数の蘇生薬が与えられて、それで復活するが、遅れると本当に死んでしまうことが分かったとき、彼らはどうしたか。

 このゲームのカラクリはラストに多少分かった気にさせるが、その目的は最後まで判然としない。誰が生き残るのか。生き残る能力があるのは誰なのか。意外な人物が犠牲的精神を発揮したりする。しかしこんなゲームには参加したくないものである。

 イギリスのカルト映画らしく、ダークな中にヴァーチャル世界のリアリティがけっこうあって、現実とバーチャルリアリティのどちらが本物か分からなくなってくる。そもそも彼らゲーマーにとっては現実はそんなものなのかも知れない。

 夢は現(うつつ)、現(うつつ)は幻(まぼろし) by江戸川乱歩。

 出来はまあまあというところか。

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