三度目の正直か?
北朝鮮が今年に入ってにわかに積極的な外交に転じ、たちまち韓国やアメリカの首脳会談が行われることになった。すでに中国の習近平主席とは会談を済ませている。
私の記憶では、この事態の急変について予測した北朝鮮の専門家はいなかった。しかし彼らは恥ずかしげも無くみな後付けでその理由を縷々述べている。いままでも北朝鮮情勢を報じる場で活躍が続いたが、これからも彼らの出番が続くことになりそうだ。
北朝鮮が妥協する態度を示していることが信用できると感じるかどうか、ひとにより違うだろう。「過去にも約束を裏切ったことがあるから、二度あることは三度ある、と思う人もいれば、情勢から見て今回こそは信じられる、つまり三度目の正直だ、と見る見方もあるだろう(by 宮家邦彦)」。どちらもあり得るから、どちらが正しいかというのは現時点では分からない。
いまの情況を、日本は蚊帳の外に置かれている、と自嘲的に言う向きがある。いくらトランプと親しそうにしても所詮安倍さんなんてそんなものだと言いたげである。しかし宮家氏も言っていたけれど、日本は朝鮮戦争の当事国ではない。いま北朝鮮が求めているのは、現状の北朝鮮を認めた上での朝鮮戦争の終結とアメリカとの平和条約の締結、そして経済封鎖解除である。いま日本は当然蚊帳の外である。日本が役割を示すのは最後の場面と言うことになるだろう。
ただしそのときは日本のお金が求められるだろうことは想像に難くない。北朝鮮再建に必要なお金を韓国一国が背負うことは難しそうであり、それを日本に頼ってくるのは過去の経験で予想される。南北分断はアメリカとソ連によるものだが、そもそもは日本が悪いのだ、と言うのが半島の人々の認識らしいから当然の要求として求めてくるだろう。決してお願いしますとは言わないはずだ。日本国民は日本が蚊帳の外かどうか、そのときに思い知ることになるだろうと思う。
北朝鮮が核放棄をする可能性は低いと思う。それよりは南北統一の方が可能性があるような気もする。金正恩は安全が保証されればそれを受け入れるような気がする。状況によってはどこか安全なところに保護されることを望むだろう。もしそのまま半島にいれば、何しろ歴代の大統領を次々に牢屋に入れる国である。拘束されればまず命はないことぐらい分かっているはずだ。
そういう意味ではこれから歴史の転換点が見られるかも知れないわけで、これからの南北首脳会談や、米朝首脳会談はとても興味深い。いろいろな意見を見聞きすることになるだろう。結果が出るまでは言った者勝ちである。どんなこともある得るのだから、それらを楽しみに拝聴しようと思っている。
いまのところ、私は北朝鮮は中国化、つまり体制を維持しつつ経済のみ自由化に舵を切るような気がしているが。
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おはようございます
確かにいざ北朝鮮の経済再建が議題に上った時、間違いなく日本は引きずり込まれるでしょう。彼ら朝鮮人は「南北分断は日本のせいだ」という甚だ誤った考えを持っていることは事実です。
ここで大事なのは、経済援助をするにしても、どうせしなくてはいけないのなら日本がどうイニシアティブをとるか、ということを真面目に考えることでしょう。現実論として北朝鮮は韓国よりも伸び代がある国です。ですからこういう行動を取るのも日本にとっては悪い話ではないでしょう。
では、
shinzei拝
投稿: shinzei | 2018年4月23日 (月) 06時45分
shinzei様
なるほど、そういう風に考えたことはありませんでした。
南北統一で半島の人々の被害妄想傾向が解消される方向に行く可能性もあると期待したいところです。
被害妄想傾向はマスコミや政治家が自己都合で進めてきた面もありますからね。
しかし道はまだ端緒についたかつかないか、というところでしょうか。
でも良い方に変わる可能性もあるのだ、という思いを持つことも必要ですね。
投稿: OKCHAN | 2018年4月23日 (月) 10時13分