統計は信用できるか?
敬意を持っていつも拝見している人のブログで以下のような文章に出会った。一部の抜粋なので誤解しかねないけれど、引用したそのあとに、批判されているかも知れない一人としてあえて異論を申し上げる。
こうした数字が重要なのだ。中には「中国の統計数字は信頼できない」と知った風なことをいう人が多いが、それは教えてもらわなくても結構。しかし、その「信頼できないとする数字から真実の欠片を見つけることができるかどうか」がその人の能力を決めるのだ。 そんなことをいう人には「不確かで限られた」数百年の徴税記録から真実のかけらを見出したピケティを見習え!と言いたくなる。
私は統計を必ずしも信用していない。データとしての数字は信用できるけれど、しばしばその数字を扱う人間が信用できないことがあるからだ。だからここで言われているような「中国の統計数字は信頼できない」と知った風にブログに書いたこともある。
しかし信用できないということと、統計数字が間違っている、と断定することには大きな違いがある。疑わしいけれど事実であるかも知れないと同時に思うことも出来るのである。間違っているという断定は根拠を示さなければならないことくらいは承知しているつもりである。
すでにソ連時代のGDPの統計数字などがずいぶんと事実と反するものだったことが明らかにされている。それは数字を扱った人間が作った統計だったからである。李克強指数と呼ばれる言葉もあるではないか。
そして中国では「大躍進」の時代に間違った統計数字の積み重ねによってどんなことが起きたのか、歴史が教えている。統計では豊作なのに、一千万とも二千万とも言う人々が餓死した。そのことが毛沢東の失脚につながり、それを巻き返すために文化大革命が始まった。
しからば同じことがあるかも知れないと疑うのは当然であろう。ただし、その経験から中国が統計にはそういう恣意的なものが入らないように注意していると云うこともあるかも知れない。それは私には分からない。中国の統計数字がそのまま事実であると鵜呑みにしないだけのことである。
それにピケティを引き合いに出されても、残念ながら当方にはその能力もエネルギーもないので見習いようがない。
« 映画寸評(1) | トップページ | 同じことが違う評価になる »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 雑感1(2026.09.15)
- 友と会う(2026.09.13)
- 何をやっているんだか(2026.09.10)
- これからまた降る?(2026.09.09)


ピケティを見習えと言われても、そんな能力はありません。(笑)
私が中国の統計を信用しないのは、南京30万人、5000年の歴史、天安門犠牲者数、文革で殺された人など信用できない数字ばかりです。数字以外も信用できないことはたくさんあります。
なので統計だけ信用するのは・・・・・です。
投稿: けんこう館 | 2018年4月13日 (金) 10時55分
けんこう館様
たぶん操作された統計数字でも読み方で背後にある事実は分かるものだ、ということを言われているのだと思います。
ピケティも不確かな数字から事実を読み解いたらしいですから(そもそもピケティは読んでいませんから分かりませんが)。
私は中国だけが信頼できないと言っているつもりではないのですが・・・。
中国の現首相である、あの李克強ですら、むかし自分の管理していた地方政府の統計は信用できない、自分が指標にするのは別の数字だと言ったと伝えられています。
鉄道貨物輸送量、銀行融資残高、電力消費量の推移を見るという、いわゆる李克強指数ですね。
それが有名になりすぎましたから、その数字にももしかしたら操作がないとはいえないと思うのは考えすぎでしょうか。
投稿: OKCHAN | 2018年4月13日 (金) 11時23分
<例題問題から発展問題へ>
私はよく統計資料を「籠に入ったアボガド」に例えます。中には腐ったアボガドもありますが、それは全体の整合性を見ていけば容易に区別できます。けんこう館様が例に出された文革や大躍進の犠牲者数も、中国政府自身が出した人口ピラミッドを比較するだけで簡単に推計出来ます。例えば大躍進(58-61)や文革(66-76)を挟んだ、1953年と1964年、あるいは1982年のそれらを比較すれば推定出来ます。人口動静というのは数十年単位で嘘がつけませんから。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/1802/trackback
何しろ、政府自身が「非自然死亡」とか、「非正常死」とかいう言葉を使っているくらいです!
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/1908/trackback
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/1798/trackback
また、その経済に与えた惨事も同様に中国国家統計局の数字の中にはっきりと示されています。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/2483/trackback
これらは例題問題。
応用問題に進むと、この「腐ったアボガド」が役に立ちます。龙井茶の生産量と販売量を差し引けば「偽龙井茶」の量が、同様にして「地溝油」の量が推定出来ます(笑)
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/3706/trackback
つまり、全ての統計数字を整合性があるように捏造出来ない以上、「腐ったアボガド」を積極的に使うことで逆に真実の姿を露わにすることができるわけです。
さらに発展問題に進むと、なぜ党はこの「腐ったアボガド」をことさらとりあげるのか?そこに頭を使えば対応策が見えてくるというものです。「腐ったアボガド」を無視するだけでは何も解決出来ない、頭を使えと言いたいのです。
ただ1つ注意しないといけないことは「腐ったアボガド」を放置すると籠の中の全てのアボガドが腐る危険性がある。それを防ぐためには穏やかに、しかし執拗に「異議申し立て」が必要ということでしょう。
投稿: Hiroshi | 2018年4月13日 (金) 17時08分
追伸:
>ソ連時代のGDPの統計数字
これについてはToddが幼児死亡率からこの統計の嘘を見破り、ソ連崩壊を正確に予想したことで有名です。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/3485/trackback
直近では、トランプの勝利も白人の45歳から54歳の層の死亡率が上がったことと、白人は有権者の4分の3(黒人やヒスパニックは人口比に比べ投票率が低い)から説明できると彼は語りました。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/4719/trackback
投稿: Hiroshi | 2018年4月13日 (金) 17時38分
Hiroshi様
統計にはバイアスがあり得るということを考慮して、疑う必要があると云うことを言いたいだけです。
アボガドの籠の中の全てを考察することがなかなか出来ない国については、特にその疑いが必要だろうと考えています。
後付けで解釈して説明することは容易ですが、その当座は腐ったアボガドは見えないものです。
投稿: OKCHAN | 2018年4月13日 (金) 18時14分
>後付けで解釈して説明することは容易
Toddが高い評価をされているのは、「後出しジャイケン」で勝ったからではなく、ソ連の崩壊を早い段階で 「予想」 したからなのですが、、
投稿: Hiroshi | 2018年4月13日 (金) 20時56分
Hiroshi様
Toddの素晴らしさについて了解しました。
いつもToddがいるわけではありませんから、統計を解析する人がみなToddのようであれば良いですね。
それにソビエトが崩壊してToddの正しさが証明されて良かったですね。
北朝鮮は解析されたくないから全ての統計値を公表しないのでしょうか。
そもそも統計そのものを自国ではとっていないのかも知れませんね。
しかしそれでは国家の経営は成り立たないはずですがどうなのでしょう。
投稿: OKCHAN | 2018年4月14日 (土) 08時10分