映画寸評(6)
『リベンジ・オブ・ザ・グリーンドラゴン』2014年アメリカ・香港映画
監督・アンドリュー・ラウ、アンドリュー・ロウ、出演ジャスティン・チョン、ケヴィン・ウー他。
舞台はニューヨークのチャイナタウン。そこの裏世界の縄張りをいくつかのグループが奪い合いながらそれなりのバランスの中で共存していた。そこにある振興のグループが歯止めのない暴力によって台頭して来る。
主人公はまだ暴力団とも呼べないような小学生の少年。彼は仲良しの友人が彼らのグループに加わったことで次第にその一員として行動するようになる。リーダーは仲間の一員であることを示すためにさまざまなことを彼らに強要する。
彼らの暴力は歯止めがない。見ていて救いのない気持になる。実際に裏社会というのはこういうものだとすれば、まことに恐ろしい。以前観た香港映画では、こういう抗争事件での凄まじし暴力が描かれていたが、それを少年が行うことが一層凄惨さを感じさせる。
後半では少年は成長し青年に近い年齢になっている。ラストにカタルシスを発散させてくれそうなシーンがあるが、その結末は・・・。
かなりきつい映画である。
『ウェズリー・スナイプス シールド・フォース 監獄要塞』2017年アメリカ映画。
監督ジョン・ストックウェル、出演ウェズリー・スナイプス、アン・ヘッシュ他。
状況設定がうまく説明できないが、人工知能によって完璧に管理されているはずの秘密要塞との連絡が途絶え、そこへウェズリー・スナイプスが率いる特殊部隊員たちが原因究明と復旧のために派遣される。その秘密要塞に詰めていたのは彼らの精強な仲間でもあった。
その要塞の中でその精強な仲間たちの死体が次々に発見される。やがてそこにいるはずのない男が生きて発見される。完璧なはずの要塞にどうして侵入できたのか。彼は呼ばれたのだという。しかし何が起きたのか分からないと言い張る。
警報が鳴り、やがて彼らは要塞に閉じこめられてしまったことを知る。人工知能の暴走によるものではないかと気付いた彼らは必死で復旧に努めるのだが・・・。
彼らの抱える、決して知られたくない秘密がどういうわけか明らかにされ、そのことが人工知能の暴走の原因であることが分かったとき、彼らを恐怖が襲うという話であるが、最初はともかく後半はあまりこわくない。
大好きなウェズリー・スナイプスだけれど、今回はちょっと動きが今ひとつだし、彼らしい活躍が見られないのが残念であった。彼はやはり単純明快な信念を持って脳天気にアクションをこなす方が似合っている。期待したのに。
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