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2018年4月25日 (水)

映画寸評(8)

 「ソルジャー」という言葉の入った映画を二本続けて観た。二月頃に続けてWOWOWで放映されたものだ。「ソルジャー」といえば、そのままずばり『ソルジャー』という題名の映画が思い出される。大好きなカート・ラッセル主演のSF映画で、何度でも観たくなるお気に入りの映画である。もう一本あって、それはヴァンダム主演の『ユニバーサル・ソルジャー』という映画だ。敵役が『ロッキー3』でアポロを殴り殺したドルフ・ラングレンだった。今回観た映画の一本にはそのヴァンダムが出演している。

『ソルジャー・アイランド』2012年アメリカ・ロシア映画
監督マキシム・コロスティシェフスキー、出演クリスチャン・スレイター、ショーン・ビーン他。

 出だしのアフガニスタンが舞台のシーンは、それなりに緊張感もあって後半を期待させてくれたのだが・・・。命令を無視して戦友を救出して戦闘行為をしたことを咎められて不名誉除隊となった大尉(クリスチャン・スレイター)はある依頼を受ける。

 ここから五人の大金持ちを兵士として鍛えてある島へ同行し、その島を牛耳って島の住民の反発を受けて逆に島民を虐殺している集団との戦闘を行うというミッションを引き受けることになる。もちろん金持ちたちを守らなければならない。このあり得ない設定はそれなりに理由づけられているけれど、納得のいくものではない。その金持ちたちにもそれに参加するに当たってそれぞれ思惑があり、その作戦は上陸直前から破綻してしまう。

 あり得ない設定ではあるが、登場人物それぞれが一癖も二癖もあってそれを主人公の気持ちになって見ているとそれなりに感情移入していく。二度観たい映画ではないけれど、見て時間の無駄だというほどではなかった。

 クリスチャン・スレーターはいろいろな映画で見ているけれど、やはり忘れられないのは『薔薇の名前』でショーン・コネリーと共演した姿だ。この人もニコラス・ケイジと同じく、あまり出る映画にこだわらないタイプのようだ。

『サバイバル・ソルジャー』2013年アメリカ映画
監督ロブ・メルツァー、出演アダム・ブロディ、ジャン=クロード・ヴァン・ダム他。

 はじめにいっておくと、これはサバイバル映画ではない。映画が始まって数分、録画した映画が間違っているのかと思った。ある広告会社の中の日常が描かれているのだが、その台詞は下ネタばかりで、どれひとつとってもセクハラばかり、福田元財務相事務次官のレベルをはるかに超えて下劣なのである。あっけにとられていると、やがてヴァン・ダムが登場、ようやく映画を間違えていないことが判明する。

 企業研修のために彼が社員たちを島に引率し、鍛え上げるという設定なのであるが、あとは支離滅裂ハチャメチャな展開となっていく。理性を保った者たった四人、他は妄想の王国の住人となる。あたかもあの『地獄の黙示録』でカーツ大佐(マーロン・ブランド)が築き上げた幻の王国のようである。

 女性も含めて放送禁止用語が機関銃のように炸裂しまくるこの映画、こういうドタバタコメディは嫌いなのだけれど、あまりにも突き抜けてバカバカしいので遂に最後まで見てしまった。字幕には×ばかりだけれど、ちゃんと分かるのである。それにしてもヴァン・ダムは最近悪役をやったりして変わったなあと思っていたが、ここまでやるか、よくこんな映画に出たなあ。

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