映画寸評(5)
『リターン・トゥ・アース 宇宙に囚われた1027日』2014年カナダ映画
監督エリック・ピコリ、出演ジャン=ニコラ・ヴェロー、ジュエリー・ペロー他。
ほとんど金をかけずに宇宙ものの映画をつくって、それが一応成功している。カナダ映画は外れのことが多いと散々言ってきたが、何しろ尺が短いのでつい選んでしまう。この映画も突っ込みどころが満載だけれど、途中でやめるほどひどくなかった。この映画は英語でなく、フランス語で会話がすすむ。この映画の登場人物はフランス語圏のケベック州の飛行士たちらしい。
すでに人類は火星にも足跡を残している時代、長期宇宙旅行に備えてその実験のために1000日の予定で宇宙ステーションに滞在をすることになったカナダ人の男二人女二人の乗組員が順調に任務をこなすなか、彼らは木星の衛星の観測によってある画期的な発見をする。ところがその後しばらくして、地球との交信が突然途絶えてしまう。
地球で何が起きたのか。そして彼らが宇宙から地球上に見たものは。やがてリーダーがパニックになり、彼らは帰還船を失ってしまう。アホかいな。
絶望に囚われた宇宙ステーションにロシアの宇宙船がやってくる。そして彼らに再び帰還の希望が生ずる。しかし彼等はある選択を迫られる。彼らはどう決断し行動するのか。それがこの映画の見所である。映画では彼らの運命は明確に示されない。宇宙ものが好きで暇なら観てもいいかも知れない。ただし登場人物(すべて)の動作ののろさにかなり腹が立つことに覚悟が必要。もっとてきぱきしろよ!どうもカナダ人は動作がのろい気がする。それは以前トロントの空港で経験した実感に合致する。
『ザ・スクワッド』2015年フランス・イギリス合作映画。
監督パンジャマン・ロシュ、出演ジャン・レノ、カテリーナ・ムリーノ他。
ジャン・レノは暴走刑事ものがよく似合う。パリ警察の暴走刑事達を率いる警視役を嬉々として演じている。お年のせいかアクションにスピード感と切れがないけれど、気持ちいいくらいパワフルである。こんな無茶なことを続けていればおとがめがあるのは当然で、ある男の誤認逮捕からやがて彼の率いる部隊は解散されそうになる。
しかしそれは誤認逮捕ではなかった。それに気付いた彼らは強盗集団が狙う銀行に急行するのだが・・・。そこでかけがえのない仲間の一人を失うことになる。警告通り彼は謹慎どころか逮捕、チームは解散となる。死んだ仲間というのは実は署長の妻であり、彼の愛する人でもあった。
彼の腹心の部下が単独で勝手に捜査を進め、二重に仕組まれた強盗集団の目的が明らかになる。署長をようやく説き伏せて捜査というより仇討ちが始まる。あとはひたすら追っかけたり殴ったり撃ったりの連続である。不死身のジャン・レノを見る痛快さを楽しめる。ドンパチ好き向き。
『ストームブレイカーズ 妖魔大作戦』2015年中国映画
監督ジョシュア・イ・シャオシン、出演パイクー、ヤン・ズーシャン他。
開始五分で観るのをやめた。西遊記の面々の妖怪退治話らしいが、あまりにもふざけすぎていて、観るに値しない。時間の無駄である。こんなのを中国の人は喜ぶのだろうか。信じられない。
« 『司馬遼太郎が語る日本 未公開講演録』(朝日新聞社) | トップページ | 初めて大阪城に行く »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 『ソラリス』(2024.10.10)
- 『雷桜』(2024.10.09)
- 『Dr.パルナサスの鏡』(2024.10.08)
- 前回に続いて(2024.10.04)
- 『フック』(2024.10.04)
コメント