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2018年4月30日 (月)

映画寸評(10)

『GANZ:0』2016年日本映画。
監督・さとうけいいち、三次元映像のアニメ映画。

 先般観た『ルドルフとイッパイアッテナ』も三次元映像のアニメ映画だった。三次元映像のアニメはあまり好みではなかった。実写に近い映像になる分だけ、現実との違いを却って意識してしまうからだ。つまりリアルに近いから却って嘘くさくなるのだ。『ルドルフとイッパイアッテナ』の場合はキャラクターをデフォルメすることでその弊を免れていた。

 しかしこの『GANZ:0』は表情などリアルそのもの。実写とほとんど変わらない。CGアニメはここまで進化したのだ。ついにリアルを突き抜けた思いがする。そもそもの話がリアルを突き抜けているので、内容と映像がマッチして違和感がなかった。

 『GANZ』は実写で映像化されている。突然敵との闘いを強いられる、という設定は、イギリス映画『VRミッション:25』と同じだ。そちらは相手がテロリストだったけれど、こちらは異形の者、異世界の者たちだ。状況が理解できずに闘いに臨めば虫けらのように死んでしまう不条理な世界だ。

 ただ、これらに共通しているのは、死んでも生き返る可能性があるということだ。現実には死んだ人間は生き返ることはない。しかし一度死んでも生き返るといいなあという願望はある。それが叶うのである。やはりゲームの世界ということか。不可能な願望が叶うのであるから、不条理な殺戮の世界を描きながら実は夢を描いているという見立てもあり得る。出来は悪くない。

映画『封神伝奇バトル・オブ・ゴッド』2016年中国・香港映画。
監督ホアン・コイ、出演ジェット・リー、ファン・ビンビン、レオン・カーフェイ、ホアン・シャオミン他。

 中国の伝奇小説『封神演義』をベースにした映画である。殷周革命を背景に仙人や妖魔たちや人間が入り乱れて戦う。殷の最後の王であった紂王(レオン・カーフェイ)が妲己(だっき・正体は九尾の狐・ファン・ビンビン)に操られて暴虐な政治を行い、世は乱れていた。紂王を倒すべく、周の軍師・姜子牙(きょうしが・ジェット・リー)は戦いを挑む。

 仙人や妖魔や神様が人の姿を借りて入り乱れて戦う話なのであって面白いはずなのである。映像もすばらしい。CGの出来も良い。それなのにところどころ寝てしまった。『封神演義』の物語世界はかなり複雑で入り乱れており、それを描ききることは困難で、ストーリーが圧縮されるのは仕方がない。しかし無意味に冗漫な部分が散見され、全体の緊張感が損なわれているのだ。これは豪華スターを揃えすぎて見せ場を無理につくっているからか。

 確かに原作にもコミカルな部分があるけれど、映画はそれが強調されすぎてふざけているように見える。110分の映画なのに長く感じる。しかも物語は完結しないのである。続編はどんな題の映画なのだろう。実際につくられたのだろうか。収まりのつかない映画であった。

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