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2018年5月15日 (火)

辛坊治郎『こんなこと書いたら日本中を敵にまわす本』(光文社)

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 帯には「東京マスコミが報じないニュースの真実」とある。これは日曜日の午後一時半からの番組、『そこまで言って委員会』という読売テレビの番組を念頭に置いてのことばで、辛坊治郎はここでむかしからメインキャスターを務めている。

 関東だけがこの番組を流していないらしい。歯に衣着せぬ言いたい放題の番組で痛快きわまりないのだが、ずっとメインキャスターを務めていたやしきたかじんのキャラクターが反映しており、かれの意志を相棒だった辛坊治郎が引き継いでいる。関東圏だけが報じる番組は数々あれど、関東だけ流さない番組というのはこれくらいだろう。名古屋にいることでこれを見ることができるのは幸いである。とにかく面白い。

 そこで語られていることが本当かどうかなど分からない。そもそもなにが本当かなんて分からないことだらけなのに、東京をベースにした報道は、体裁だけにこだわって突っ込みが足らないのだというのがこの番組の売りであり、主張である。同感である。

 その番組で言い足りないと思うような、辛坊治郎が入手した情報を総合して彼なりにまとめたものがこの本である。そんな本をいままでにもいくつか出していて、読んだ記憶がある。たいていなるほどとは思うけれどそれほどの目新しいことを知った気がしなかったが、この本も同様である。

 ものごとを詳しく知ることは正しく知るためには大事なことだが、人は忙しいから何もかも詳しく知ることは困難だ。こういう本でざっくりとさまざまのことを知った上で興味のあることをより詳しく知ればいいので、そういう意味では幸便な本かも知れない。

 残念なことに、表題にあるような日本中を敵にまわすようなことは書いていないけれど、知られたくないことを書かれたという意味で不愉快に思う人はいるかもしれない。

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コメント

おはようございます
先日は私の拙いブログを見ていただきありがとうございます。
辛坊氏は確かに関東ではあまりお目にかかれない人ですね。
彼の本は数冊読みましたが、ある意味”思い切りの良さ”を感じます。
私の住む神奈川は”東京の植民地”ですのでこうした関西系の番組はほとんどやりません。
他にも「探偵ナイトスクープ」や「吉本新喜劇」もやらないのでただでさえ見ないテレビをますます見なくなりました。
東京に必要なのは関西のエッセンスでしょう。
では、
shinzei拝

shinzei様
こう言えばあちらに差し障りがあり、ああいえばこちらに差し障りがあり、と斟酌ばかりしてさっぱり急所を突かないのが東京のメディアである、というのが関西のメディアの言い立てです。
多少の差し障りは気にせず、間違いがあったら訂正して謝ればいい、という開き直りはある面で痛快です。
裏話が多くなり、情報の信憑性は多少怪しいものの、面白いし案外ポイントをついていることもあるように思います。
それだけ精神が強靱な気がします。

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