映画寸評(12)
『魔界戦記 雪の精と闇のクリスタル』2015年中国・韓国・アメリカ映画。
監督ピーター・バウ、ツァオ・ティアンユウ、出演チャン・クン、リー・ビンビン他。
題名から想像がつくように、なんだかいろいろな物語を寄せ集めたような話である。千年に一度魔界の妖魔たちが転生するチャンスが訪れるのだが、それを阻止して人間界を護ろうと、天界の指命を受けた仙人が鍾馗を使って魔界の妖魔たちと戦う。主人公が鍾馗であるというのが珍しい。しかし実はその仙人には別の思惑があり、その上鍾馗は妖魔の美女と心を通わせてしまう。さあ人間界はどうなるのか。
CGがすばらしい。それはいいのであるが、ところどころ眠くなる。話の展開のリズムが早くなったり遅くなったりして乱れるのである。だからきれいなCG画面を楽しむだけの映画になっている。
『ドラゴン・クロニクル 妖魔塔の伝説』2015年・中国映画
監督ルー・チューアン、出演マーク・チャオ、ヤオ・チェン他。
題名から想像していたものとは違う映画であった。好い意味で裏切られた。なかなか面白い。
時代設定は新生中国が誕生して間のない20世紀なかば過ぎのころのようである。崑崙山の山中の洞窟で恐竜のような巨大生物の骨がつぎつぎに発掘される。その発掘現場で崩落事故が起きる。そして崩落の跡のさらに奥に巨大空間があることが分かり、調査隊が結成される。
この調査隊が地底深く探検を進めていく様子はジュール・ベルヌの『地底旅行』を思い出させる。地下に異世界が拡がっているのである。その調査隊を指揮する博士にはある目的があった。そのためには自分の娘を連れて行く必要があった。
彼らは多数の犠牲者を出しながら、ついに博士の目指す妖魔塔にたどり着く。そこで博士の目的は果たされたかに見えたのだが・・・。目的はなかばだけ果たされ、時空に異常が発生し、博士とその娘、そして娘といい仲になりかけた主人公の若い男が行方不明となる。
主人公だけが助かったと思われたのだが、その後年月が経過したあとにとんでもない場所で博士と娘がそれぞれ発見される。娘は本人とは違う人格となっていた。やがて中国各地に異変が起こり、ある砂漠の村の住民が消滅してしまう。それらの事象は互いに関係しているらしい。その村に調査隊が送られることになり、主人公はそこで異形の者たちに襲われ、危機に直面する。
謎を解き、事態を収拾できるのか・・・。続編がありそうである。
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