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2018年5月13日 (日)

映画寸評(16)

『さらば愛しき女よ』1975年アメリカ映画
監督ディック・リチャーズ、出演ロバート・ミッチャム、シャーロット・ランプリング他。

 若いころ、SFと同時にミステリーにはまった。日本のものなら江戸川乱歩や横溝正史、そして高木彬光などだが、それよりも海外のミステリーが多かった。海外のものといえばハードボイルドが面白く、ハメットやチャンドラーの作品などを手当たり次第に読んだ。

 これらの作品の映画化されたものといえば、ハンフリー・ボガート主演の『マルタの鷹』(ハメット原作、探偵はサム・スペード)、『三つ数えろ』(チャンドラー原作、探偵はフィリップ・マーロウ)が思い浮かぶ。そしてこの『さらば愛しき女よ』はチャンドラーの同名の原作で、探偵のフィリップ・マーロウを演じるのはロバート・ミッチャムである。

 この映画を観るのは三回目か四回目だ。話の展開の意外性が面白い作品なのだが、すべて知っているからその意外性を楽しむわけにはいかない。それなのに何度も観るのは好きだからであり、同時にヒロイン役のシャーロット・ランプリングが大好きだからである。彼女の蠱惑的な目に見つめられるとうっとりとしてしまう。

 探偵に依頼する大男のマロイと云う男の一途な気持もちょっと好い。何よりアメリカのハードボイルドは台詞が絶妙で、それがキザに感じられないためにはその台詞が似合う俳優でないと務まらない。やはりボガートであり、ミッチャムなのである。  

『サイレント・マウンテン巌壁の戦場』2014年オーストリア映画
監督エルンスト・コスナー、出演ウィリアム・モーズリー、クラウディア・カルディナーレ他。

 オーストラリア映画ではなくでオーストリア映画である。第一次大戦中のチロル地方でのオーストリア=ハンガリー軍とイタリア軍との山岳戦が描かれる。予想しなかったけれど、好い映画であった。

 歴史的な知識が無かったので、当時のチロル地方というのがどういう地域だったのか、この映画で初めて知ることになった。観光ホテルの持ち主が谷間と山岳に掛け渡すロープウエイを建設する計画を進めており、そのためにイタリアからやって来た若い技師がホテルの持ち主の娘と恋仲とって結婚することになる。

 映画の冒頭はその結婚式の様子が詳しく描かれていくのだが、イタリア人に対して反感を持つもの、純粋に二人を祝福するものなど、さまざまな人々が集う。式もたけなわになったころ、イタリアがオーストリアに宣戦布告をしたという知らせが届く。式は騒然として散会となる。ホテルの持ち主は義勇軍のリーダーとして地元の人々を集め、イタリア人たちは命からがらイタリアへ帰っていく。そしてイタリア人の娘(花婿の妹)が一人取り残される。

 主人公はこのホテルの主人の息子である。彼とその娘との関係、そして想像を絶する苛酷な山岳戦、そしてイタリア軍が進める驚くべき作戦が緊迫感を盛り上げていく。さらに卑劣な男などが登場していやがおうでも感情が高まる。

 人と人とがひき裂かれて行く姿に戦争の悲劇が実感として感じられる。主人公の回想シーンに奇妙な滑稽さと静けさがあり、記憶に残った。

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