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2018年5月25日 (金)

落ちるほど高くない

 日大アメフト部の問題が世間を騒がせている。最初にあのタックルのシーンを見たときには信じられない思いがしたけれど、起きたことは起きたことであるからいまさら取り返しはつかないわけで、あとは関係者はそれをどう収めるか考えるのが肝心だろう。

 それが収めるよりも大火になってしまった。マスコミがこういう場合にどう反応するか、それを想定して鎮火に努めるべきところを油を注いでどうするのか。今話題になっている司会者は、なんとそのマスコミ出身(時事通信)だというからおそれいる。知りすぎているから感情的になったのだろうか。あれは計算づくで、大学に対するパフォーマンスなのだといううがった見方まであった。

 あの監督とコーチの記者会見の場で、「日大のブランドが落ちますよ!」と記者からいわれて「落ちません!」とその司会者が言い切ったことに、記者からいっせいに笑い声が上がったのをたしかに聞いた。

 ネットニュースにもさまざまな意見が採りあげられていたが、このままでは日大ブランドは地に落ち、学生の就職にも差し障りが生じ、入学志願者がへり、日大のみならず附属高校など関係学校も影響がでると心配する向きが多い。そもそも選手を、つまり学生を守れない大学とは何か、と批判が喧しい。それは外部だけではなく、日大教職員組合や日大アメフト部の父母会などの内部からも上がっている声のようだ。

 しかし飲み屋などで気心の知れた同士なら良いが、職場などでは日大こきおろしはやめた方が良いとのアドバイスもある。なにしろ超マンモス校で、日大出身者のみならず、大事な身内に出身者のいる人間はとてつもなく多い。アメフト部の批判のつもりが、今回の対応のまずさから日大そのものの批判になるのは避けがたいから、差し障りが生じますよ、というわけだ。なるほど。

 世の中がその話題で持ちきりとなると、ちょっと変わった意見を言う向きも出てくる。「日大のブランドは落ちないし、入学志願者が減ったりしない」という意見があった。どういうことかと読んでみれば、そもそも日大には落ちるほどのブランドなどないのだという。なるほど、これはきつい。二重に皮肉が効いている。

 入学志願者が減らない根拠としてあげていたのは、過去、さまざまな大学での不祥事が報じられたケースが直接志願者の減少につながったりしなかったといい、その例として大学生の起こした事件を十件ばかりあげていた。そうなのか、と思いながら、しかしあげられたものはそれぞれ単独の大学生の起こした事件であって、大学名が公表されたとはいえ今回の問題とは違うように思う。事件が起きて、それに大学の適切な対応が求められるようなものではなかった。

 しかし今回の件はルール違反の危険なタックルをした当人は明確にその事実を認め、なぜそれをするに至ったかを語っている。それに対して次の段階は大学がそれをどう受け止め、どう認識したかを明らかにし、それに対する処分と今後の対策を公表するという行動が求められている。ところがそれが全く不十分で、関係者の保身に走る姿ばかりが目についている。すでに危険なタックルの問題ではなく、大学の姿勢が問われていて、それに答えられない大学の信用が著しく損なわれ、そんな大学なら進学したくない、させたくないという気持が蔓延していると私には思える。

 だから入学志願者が減らない、という意見については賛同しかねる。こういう日大の危機だからこそ、我が子を行かせたいという母校愛に燃える親がそれほどいるとも思えないし、より入学難易度が下がってチャンスだと思う受験生もあまりいないだろうと思うのである。

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