訃報に思う
加藤剛が先月亡くなっていたそうだ。今年初めにNHKの時代劇、東山紀之主演の『大岡越前』のスペシャルドラマに出演していたのを見て、病が篤そうだなと思っていた。
加藤剛といえば『大岡越前』を30年演じた、などと報じていたけれど、私にとっての加藤剛は『忍ぶ川』の加藤剛であり、『三匹の侍』での加藤剛であり、『砂の器』での加藤剛である。
どれも忘れられないけれど、特に橋本忍監督、栗原小巻共演の『忍ぶ川』という映画は私の青春時代に見た映画として忘れられない映画である。三浦哲郎原作のこの映画は、東北特有の暗い血を感じさせるストーリーが、じわじわとこちらの精神に浸潤してくるとともに、若い男女が直接肌を触れあうことで高まる体熱が、その血の宿命を乗り越えるのではないかと思わせる、ほのかな希望の光を感じさせるものであった。
多分その血の宿命のようなものは太宰治に重なるもののように思う。残念ながらそこまで太宰治を読み込んでいないので分からないが、三浦哲郎にはしばらくはまったのでそんなことを思い出していた。『砂の器』のことになるとまたもう一つブログを書かなくてはならなくなるが、今日は少し余分に酒を飲み始めているのでいまはやめておく。


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