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2018年7月27日 (金)

シンシアリー『韓国人による罪韓論』(扶桑社新書)

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 シンシアリーは韓国の人。歯医者だったらしいが、韓国の問題点を匿名で文章にしているうちに、韓国にいると身の危険が及ぶおそれがあると感じて、昨年くらいから日本に在住しているようだ。

 この人のシリーズは書店の店頭で新しいものが目につけば購入して読んでいる。日本語で書かれていて、日本でだけ出版しているが、累計では55万部というから人気があるわけである。いわゆる嫌韓本と分類されるかも知れないが、私はそういうふうには受け取っていない。以前も書いたが、韓国の多くの人の視野狭窄を憂え、韓国の将来に対して心配していることが読むと良く分かるのである。もしかすると反日を叫ぶことで自分が愛国的だと信じる韓国人よりも、著者はずっと韓国が好きであるし、愛しているに違いない。

 文在寅大統領がひそかに狙っているのは在韓米軍の撤退であり、北朝鮮主導の韓半島統一であるとの見立ては、さすがに荒唐無稽だと思われるかも知れないが、私は彼が大統領になる遙か前からそのような目的と信念の人であるらしいという文章を読んだことがあるので、それをいちがいに否定しない。いまのままだとあと五年後、ないしは十年後には文在寅のこころざしが達成される可能性は十分有ると思う。

 日本人から見て理解しにくい彼の言動は、そのような意志をひそかに持っているという視点から見ると整合性があるのである。この本にはそれを裏付けるさまざまな情報が盛り込まれているので参考になる。

 著者は特に政財界と通じている人ではないし、ジャーナリストのような特別なニュースソースを持つ人でもない。戦後の韓国と日本の公開されている情報を丹念に読み込み、現在進行しているさまざまなニュースと照らし合わせて自分の頭で考えたことを書いているのである。つまり誰にでも出来ることでもあるが、なかなかここまで説得力のあるものは書くのは難しい。

 繰り返すが、著者が韓国に強い思いがあるからこそのこのような本の出版なのである。それを前提に読めば、ただの嫌韓本として投げ出すことにはならないはずだ。慰安婦問題についても言及しているが、日本のマスコミなどよりもはるかに冷静で見識があるものだと思う。

 こういう人が韓国に暮らすことが出来ずに日本に暮らさざるを得ず、日本が好きであることを公言するには日本にいないといけないことは韓国の不幸ではないだろうか。

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コメント

おはようございます
この方といい、オ・ソンファさんといい、本当に韓国という自分の国を愛している人は、ともすればあの国では迫害の対象になるのが常です。
私の韓国人の友人がこう申しておりました「この国では『本当に私はこの国が好きだ』とは言えないんだ。だから出てくるのは空虚な”お国自慢”だけだ。よく嘲笑されている”ウリジナル”もその低レベルなお国自慢の一つなんだよ」と・・・。
こういった人が本当に「ウリナラ(韓国のこと)は素晴らしい、大好きだ」と大手を振って言える時代が来るのでしょうか?今の所は全くそれは期待できませんが・・・。
では、
shinzei拝

shinzei様
著者のシンシアリー氏には韓国がこういう国であってほしい、という明確な思いがあるように感じます。
それは何事も他人や他国が悪いということで自己を正当化するものとは正反対のものです。
どういう理由があるにせよ、そのことに自らが気がつかないとならないのですが。
不遇が覚醒につながるか、ますます自己正当化が強化されるか、どうも期待が薄い気がします。

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