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2018年8月 4日 (土)

時間の無駄

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 長い長い人生の余暇を生きている。しかしそれが永遠に続くわけではない。人生の終わりまでの余暇であり、自分へのご褒美の貴重な時間である。漫然と過ごすのはもったいないと思うが、それをあまりに意味あることで埋めようとしては、ゆとりがなさ過ぎて疲れ果ててしまう。その塩梅が難しい。無駄な時間は適度に必要なのだ。しかし無駄ばかりだと焦りが生ずる。ゆとりの気持にも限度がある。

 自分が作る無駄な時間は、自分自身を見直す貴重な時間でもある。しかし他人からもたらされる無駄な時間は許しがたいものである。そのことに気がつくと腹が立つのである。

 大げさだけれど民放のCMを見ていてそのことを強く意識した。CMによって民放は無料で番組を提供している。視聴者はCMを見る時間を売り、民放とスポンサーは無料で番組を提供することで視聴者の時間を買っているのだと私は考えている。両者の合意があれば売り買いは成立する。

 だが私はこのごろ自分の大事な時間と、提供されるものとのバランスが崩れていると感じている。CMにも多少は娯楽性を持たせるべきであろうが、スポンサーがパチンコ業者やサプリメント会社やウイッグや増毛の会社、その他多数のいままでテレビのCM提供者の主流でなかった業者が増えだしたことで、CMの内容が劣化しているように感じられる。一流の大会社がスポンサーから下りてきていると感じる。テレビのCMに金をかけることに意味が見出せなくなっているのではないか。

 スポンサーが集まらなければ民放は安売りするだろう。だからひとつの番組に多数のスポンサーがつき、当然のことながら番組内のCMの時間はじりじりと枠を拡げている。そんなことはみんな分かっていることだ。分かっているけれど茹でガエルみたいにそれに漫然と浸かったままでいるのだ。若い人はとっくにそんなテレビから離れている。テレビは長い余暇を過ごす老人か、暇をもてあましている専業主婦のものになっているようだ。

 CMが劣化増大して感じられる。CMの時間について実際に自分で計測してみた。そうすると、番組の三分の一くらいに感じるCMの割合は(近くはなっているが)さすがにそこまでにはなっていない。どうしてそう感じられてしまうのか。同じ一分間の時間が、番組そのものとCMではCMの方が二倍三倍に長く感じられるからだと思う。それなら感覚的にはすでにCMと番組本編とはほぼ同量の時間比率になっているに等しい。限度をすでに超えているのである。

 遅ればせだけれど、テレビ大好き人間で見ないのにつけたままでいることの多い私も、これからはテレビを必要最小限の試聴とするよう決心した。そして原則として民放は観ないことにした。もうCMには堪えられないのである。見るのはNHKのニュースと気にいったドキュメントなど、たまにドラマ、NHKBSの海外ニュース、あとはWOWOWの録画を見るだけにする。

 以前は録画予約のために全番組をチェックしていたが、民法をすべてないものとして無視すると、チェックがとても楽になった。これでスポーツや芸能関係の情報が入りにくくなるけれど、最近はNHKがうんざりするほど丁寧に教えてくれるので、それで十分である。それにニフティのニュースはミーハーな芸能ニュースがメインで選ばれているので、知りたくなくてもひとりでに知ることとなる。スポーツにはどんどん興味が無くなっているのでこれも不要である。多分東京オリンピックもあまり熱心に見ないだろう。

 これで時間の無駄をだいぶ省くことが出来そうだ。

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