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2018年8月25日 (土)

旅心疼く

 中国の旅番組や紹介番組はほぼ欠かさず観る。だから地名については知識が多少は豊富になっている。

 マイコレクションの、平成19年に放映された『関口知宏の中国鉄道紀行』春の旅全四回、秋の旅全四回を久しぶりに楽しんだ。一回分が110分だから、全部観るのは大変だけれど、何しろ中国が好きで旅が好きだから、自分が旅をしているように堪能した。

 全行程36000キロの旅で、チベットのラサを出発して西安までの17000キロの春の旅と、西安からカシュガルまでの19000キロの秋の旅である。最短距離ではなく、中国内をとことん回りつくす最長片道切符の旅である。これだけの長時間でも総集編のようなもので、実際はもっと途中下車先でさまざまなところを訪れ、体験をしているはずだ。さまざまな地名になじみのあるところが出るとそれだけで嬉しい。ましてや自分が行ったところは格別だ。

 このような旅が可能なのは、関口知宏が健康であるからだろう。まず好き嫌いなく何でも美味しく食べられること、下痢や便秘をしないこと、睡眠が不規則なことに耐えられること、長旅の疲れを蓄積しない回復力があることが必要だ。それ以上に必要なのが精神の健全さ、明るさと人なつっこさ、子供好きであることだろうか。

 語学力があること、歌えること、楽器が弾けること、人が感心する程度に絵が描けることなど、関口知宏には旅のお供に必要なスキルも備わっているのはうらやましい。平成19年といえば2007年で、それからずいぶん時間が経っているから、中国もずいぶん変わったことだろう。

 形の上では独り旅だけれど、実際には通訳が同伴しているしスタッフもいる。それなら自分でも同様の旅が出来るかといえばとても無理である。無理は無理だけれど、しかし同じような旅が出来たらどれほど楽しいことだろうと思う。若いときしか出来ない旅であるし、若い時は金も時間もない。この歳になれば金はあまりないが時間だけあるとはいえ、そもそもの体力、つまり健全さが失われているのは本当に残念だ。

 さまざまなひととの出会い、車窓の景色は心に沁みる。美しい景色ほど、なんだか哀しくしんみりしたものに感じるのは不思議だ。多分私は、旅に明け暮れた寅さんの目で車窓を眺めていたのかも知れない。そんなことを考えていたら寅さんシリーズを観たくなってきた。すべて録画してコレクションで揃えているのだ。

0056 これは初めての中国への旅の時、西安で撮った写真。26年前。中国もずいぶん変わった。

 リタイアしてすぐの頃には一人で中国に何度か行った。まだ体力も気力もあった。いまは代わりにマイカーでの国内の独り旅を楽しんでいる。懐具合と相談してのケチケチ旅行が、結果的に見知らぬひととの出会いの機会をつくり出すことになって面白い。人見知りする私も、旅先では少し人なつっこくなれるのだ。九月末にはいつもの友人達と遠出をする。それを思うとわくわくする。どこへどんな旅に行くのか、それは帰ってからのお楽しみである。

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コメント

こんにちは。
私もこの番組は全て観ました!そして彼が行っている鉄道の旅は再放送を含めほとんど観ました。一部、自分が旅したところは録画しております。絵日記も素敵ですよね!
9月からのご旅行、お楽しみですね!

マコママ様
思い入れのある場所は、一緒に旅をしているような気持になります。
なるべく過去が残っているような場所が好いですね。
中国の田舎では、自分の子どもの頃の原風景を見るような気がします。
日本ではもうなくなった景色、そしてその中国の景色もどんどん失われていくのを感じます。

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