杞憂だろうか
アメリカ商務省が発表した7月の通関ベースの貿易統計によれば、対中国貿易の赤字が前月比10%増の368億ドルと過去最大となった。この数値からトランプ大統領はますます強く赤字削減を迫る見通しだという。対日本の赤字も自動車関連の輸入が増えるなどして増加しており、自動車の追加関税の可能性が高まっている。
ここまでアメリカが貿易赤字を問題視しているのに、なぜさらに増加するのだろうと不思議に思ったけれど、ニュースの説明になるほど当然のことだと納得した。アメリカの需要が旺盛であることもあるが、関税が上がる前の駆け込み需要が赤字増大につながったのだろうという。
日本だって消費税が上がる前に駆け込みで需要が増大するのと同じことである。同じものがあとで高くなる、それも25%も高くなると思えば、先に買っておくのは当たり前なのだ。
輸入が過去最大に増大しているのに、輸出は1%減少したという。赤字が増えるのは当然で、次はアメリカのものを買え、と言い出すだろう。アメリカは自分が相手に勝って初めて平等だ、というのがトランプの価値観のようである。それがまかり通るなら支持者はますます応援するだろう。
関税が実施されていけば、駆け込み需要の反動が来る。当然貿易赤字は激減するかも知れない。ちょうど選挙の時だけ赤字が急減すれば、トランプは胸を張って、自分の施策が奏功したから貿易赤字が減ったと成果を強調するだろう。もちろんそのあとどうなろうとなにも考えていないだろう。
中間選挙の投票率は低いのだそうだ。そうなるとコアな支持者だけが声を掛け合って投票所に行くわけで、共和党が善戦し、それはトランプのお蔭という神話が真実のように語られるだろう。なにしろアメリカは景気がよいのであるからトランプには逆風が吹かない。
アメリカの好景気はいつまで続くのか。アメリカの好景気は日本にとって、そして中国やヨーロッパにとっても経済的にはいいことなのではあるが、いままで世界がかろうじて築き上げてきた理性的な秩序は、トランプによって取り返しがつかないほどぼろぼろになってしまうような気がする。自己都合が衣の下に覗いていたとはいえ、その秩序を作り上げ維持してきたのはアメリカである。そのアメリカがそれを破壊しつつある。日本の繁栄はその秩序が維持されるからこそのものである。
日本は天災つづきで本当に苦労が絶えないが、トランプが近い将来それ以上の人災をもたらすような気がするのは杞憂だろうか。
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おはようございます。
多分そのご懸念は真実のものになる可能性が極めて高いと申し上げるしかないでしょう・・・。
トランプ大統領は恐らく自説である保護主義を強固に敷き、自由貿易の秩序は崩れるでしょう。
そうなりますと、かつて1920年代にアメリカがやはり行った保護主義的政策が世界大恐慌を招いたように、同じことが起こりかねません。
結局歴史は繰り返しますね・・・。
では、
shinzei拝
投稿: shinzei | 2018年9月 7日 (金) 06時39分
shinzei様
天災が続いて起きるように、人災も続いて起きてしかも拡大するものなのかも知れませんね。
後戻りはもう出来ないとしたら、行くところまで行くしかないのでしょうか。
心配しすぎであればいいのですが。
投稿: OKCHAN | 2018年9月 7日 (金) 10時14分