篆刻(てんこく)
草刈正雄の独演する『美の壺』という番組があって、面白そうなときだけ録画して観ている。『書と漢字』と題する回のものを今日観た。漢字の成り立ち、書体の変遷など、分かりやすぐ紹介されていた。
顔真卿の書は、私が書道で教わった種谷扇舟先生が好きな書だったので、この番組の紹介のしかたは大いに共感するところである。種谷先生に教えてもらって臨書したことがあり、骨太で独特の筆法を思い出した。
昔は書家としての顔真卿しか知らなかったけれど、その後中国の歴史を囓ったので、政治家であり、安禄山の反乱に抵抗した将軍でもある彼の実像を知った。
中国の西安に碑林という石碑が集められた博物館があって、西安に行くたびに必ず立ち寄る。そのたびに拓本などを買い求めていて、私の数少ない宝物の一つである。たまに披いてまだかすかに残る墨の匂いにうっとりする。
種谷先生には篆刻も教えてもらい、落款用にいくつか印を彫った。ずいぶん昔のことだが、いまだにまた篆刻をやりたいという思いをかかえている。リタイアしたらやりたいことの一つだったのだが、大抵のことはかなえたのにまだ篆刻ははじめていない。
中国に行くたびに篆刻用の石を一つ二つと買っているので、いつでもはじめられる。教本も篆刻辞典も用意してある。彫刻刀は雑なものを所持しているが、できれば本格的なものを買いたいと思っている。篆刻は集中力とセンスが必要で、センスはともかく集中力がある間にはじめないと夢だけに終わってしまう。それに眼も危うくなりつつある。
番組では篆刻の様子も映されていて、そんなことを考えた。そういえば清河八郎の記念館でも篆刻の印と落款がたくさんならべられていたなあ。
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好きな書道家の川瀬みゆきさんは篆刻も教えておられるので私もいつか・・・と思いながらも・・・その日が来ないような・・・かじりたいことが多すぎるので困っています。
投稿: かすみ風子 | 2019年2月 5日 (火) 14時30分
かすみ風子様
なにかに集中するというのは案外楽しいものです。
ただ、年齢とともにその集中力が持続しなくなっているのが哀しいです。
投稿: OKCHAN | 2019年2月 6日 (水) 16時30分