日韓関係を感覚的に捉えると
日韓関係が危機に瀕していると日本では受け取られてきたが、韓国ではそれほどのことと捉えてはいない、としばしば報じられてきた。その韓国で経済の悪化が顕在化するに従い、しかも日本からの輸出入も経済投資も減少しているという事態に直面して、さすがに日本は本気で怒っているらしい、とかすかながらも気がつきだしたらしい。
「戦犯の息子である天皇(現上皇)や安倍晋三が韓国へ来て謝罪すれば許してやる」と今年初めに高言して韓国国民の喝采を浴びた文韓国国会議長が、訪韓して日本国民を代表して謝罪に歩いている鳩山由紀夫氏と対談した際にその発言を謝罪した、と報じられた。
日本国民のほとんどは現在の鳩山由紀夫氏を国民の代表だと思っていないと確信する。彼は一私人で、国民を代表したような顔をして謝罪して廻る権限はない。それを承知で文韓国国会議長はその鳩山由紀夫氏に謝罪して、それを彼が日本国民に謝罪した、と韓国のメディアは一斉に報じたようだ。ご丁寧にも菅官房長官に「謝罪をどう受け止めるか」と質問した記者がいたそうだ。もちろん一私人に語ったことを政府が公式にコメントすることなどあり得ないのは当然である。
この文議長の謝罪の意味について韓国の某有識者が日本人記者に語った分析は「文議長は当初喝采を浴びていたけれど、最近の情勢から自分の高言が批判されだした気配を察知し、鳩山由紀夫氏に謝罪して見せたのだろう。韓国国民に対して、謝罪したという事実だけを残したのであり、公式に日本に謝罪はしなかった。公式に謝罪すれば国民から集中的に非難されることは明らかだからだ。逆にこれを日本が謝罪と受け取らなければ、彼は日本が謝罪をかたくなに受け入れないと批判できると読んでいるのだろう」。これをしたたかというのか。国益のことなど少しも考慮せず、保身とパフォーマンスだけがそこにある。ドラマの韓国宮廷劇を見せられているようだ。
国と国にはさまざまな問題や思惑が存在する。人間どうしと同じである。妥協しなければ諍いになる。自分が六分引くとたいていうまくいく。相手には五分五分に見えるからである。それが日本の処世術でまことに平和な交渉方法だ。ところが世界はそうではない。互いに六分を、時には八分を勝ち取ろうとする。つまりふっかけるわけである。それで五分よりちょっとマシであれば最後は妥協する、というのが世界の駆け引きである。日本は常にそれにやられてきた。基本姿勢が違うのだからしかたがない。それでも最近はよく学習して戦い方も身についてきたような気がする。
ところがここにさらに異質な国がある。韓国という隣国である。彼等は100%を要求する。日本は六分を譲って妥協する。日本は譲ったと思い、相手は譲られたとはけっして思わない。韓国は100%などあり得ないということを理解することができない国のようだ。そもそも目盛りを持ち合わせていない国のようだ。日本は常に六分を引く妥協を繰り返し、それを相手が多少は評価すると思い込んでいた。しかし韓国という国は100%しか認めないのだから永遠の譲歩しかないことにようやく気がついた。もういい加減にして欲しい、と思う日本人が大多数になりつつある(と信じたい)。
韓国の文化や食事に魅力を感じる人がいても全くかまわない。好き好きである。ただ、根底の関係にそのような認識の違いがあることだけは承知しておいた方が良いように思う。
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コメント
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韓国政府は韓国国民が選んだ政権です。近い将来選んだことを忘れ現政権を徹底的に批判する、そんなことの繰り返しになりそうです。挨拶程度のつきあいでなければ火の粉が飛んできます。
投稿: けんこう館 | 2019年6月20日 (木) 09時28分
けんこう館様
日本だってあの民主党を政権に選んだことがあるのであまり胸を張れるわけではありませんが、少なくとも選んだのは自分たちだったという自覚のある人の方が多いと思います。
韓国の場合はそういう自覚がないのでしょうか、よく分かりません。
投稿: OKCHAN | 2019年6月20日 (木) 12時37分