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2019年6月30日 (日)

曽野綾子『人生の醍醐味』(扶桑社新書)

 曽野綾子は1931年生まれだから、今年88歳になる。いわゆる戦中派として、平和と安全などという言葉が無意味な時代を体験している。そういう時代の体験をベースにしているから、口先だけの平和主義や、政府が国民すべての安心安全を保証すべきだという言説を見聞きして舌打ちする。そのことで彼女をあたかも保守主義の権化であるかのように毛嫌いする人も多い。

 

 人生には予期せぬことが起きるもので、それを切り抜けるために自分でできる限りの人智を尽くすのは当然だ。それ以前に予期出来ぬことを予感する感性を磨くことも肝要で、なにかが起きてから誰かのせいにしても間に合わないこともあるのだ。君子危うきに近寄らずというのは言葉の上のことだけではない。

 

 いま世界の情勢はあまり望ましくない方向に向かっているような気がする。日本も災害だけでない、人的な思わぬ災厄に見舞われるかも知れないと感じている。安穏な暮らしが突然終わりを告げないとは限らないのだ。そしてそれは何の不安も感じない脳天気な人ばかりであることの中にこそ、災厄に対する危機感の欠如という危機的状況をもたらしている。

 

 自分で出来ることをする、なにが起きつつあるのかを自分で知ろうと努めて考える、拝金主義になっていないか自己反省する、それらのことをあらためて教えてくれるのが曽野綾子なのだと私は思う。

 

 この本の中に「もらえるものはもらっておかなきゃ損」という、いまではあたりまえに思われている考え方に忸怩たる思いをしている曽野綾子に私も同感する。くれるといわれても、もらう必要がないときはもらわないという矜持をもう一度思い出したいと思う。そのことで誰かが得をすることを喜べば良いのだと曽野綾子はいう。心がけたいことである。得をしないことは損をすることではないのだ。

 

読んで感じたことの一端を書いてみた。
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