百田尚樹『偽善者たちへ』(新潮新書)
この本を読んでいて吐き気をもよおした。
「そうだろう、そうだろう、百田尚樹の本はそういう本だ」と百田尚樹の嫌いな人は早とちりするかも知れないが、私はどちらかというと百田尚樹にそれほど違和感がなくて、共感することが多いタイプの人間である。
この本では、ニュースなどの中から百田尚樹が攻撃するに適当なものをひろい集めてそれをひとつひとつ批判している。その集められたネタがひとつひとつならばまだ単に腹立たしい程度ですむところを、これでもかとばかりにかき集めて読まされるから、吐き気がしたのである。
世の中はどうなっているのか、という気になる。こんな連中ばかりだったら今の世のなかはとても生きにくい。そんな気持にさせられる。それらをこき下ろしたところで、ちっとも発散にならないのである。さいわい今は現役を引退した年金生活者としてそんな世の中から目を背けて生きていけば行けないことはない。
そういうものばかりを集めれば世の中はそう見えてしまうとはいえ、それにしても・・・と思う。世の中はもともとそういうものなのか、今が特に異常なのか。
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