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2020年1月29日 (水)

町山智浩『「最前線の映画」を読む』(インターナショナル文庫)

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 2016年から2018年頃に公開された映画の中から20本の映画が選ばれていて町山智浩が蘊蓄を傾けてその映画の解釈を加えながら紹介している。当然ストーリーにも言及しているから、読むのは紹介された映画を観てからの方が良い。だからこの本を買ってから半年も読まずにいた。私はいま、映画はWOWOWを頼りにしているから、半年から一年遅れるのである。

 

 いまのところこの中で既に観たものはまだ8本だけである。それでもこの本を読んだのは、紹介された映画をさらに観るとしても数本だろうと思うからだ。既に観たものは忘れ始めるし、この本の鮮度も落ちてしまう。忘れるというのはその映画についてなにを感じたかということと、町山智浩の解釈とのすりあわせが出来なくなるということである。

 

『ブレードランナー2049』、『エイリアン:コヴェナント』、『ベイビー・ドライバー』、『ダンケルク』、『アイ・イン・ザ・スカイ』、『ワンダーウーマン』、『メッセージ』、『LOGAN/ローガン』が私が既に観た映画。それぞれに思うことの多かった映画、記憶に残る映画で、それが選ばれているのはたいへん嬉しい。残りも出来れば観たいものである。

 

 そして町山智浩が教えてくれた解釈は、私が感じたものをはるかに超えて深い。彼の解釈はほとんど正しく、作品の制作に関わった人たちも深くうなずくものであるだろう。優れた映画はそれだけの思いが籠められたものであるし、籠めたつもりがないことまで籠もるものでもあって、そこまで洞察するのが凄いのである。

 

 映画好きなら彼の本を読むべし。特にアメリカ映画についての彼の知識は抜群である。何しろ彼はアメリカに在住して映画の評論をしているのであるから。
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