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2020年1月17日 (金)

眉間に皺を寄せ、世を慨嘆してみせるひとは、実は最も世界を他人事として見ているのではないか

 テレビで、やたらに眉間に皺を寄せ、低い声で世を慨嘆してみせるコメンテーターやキャスターが目につく。私が最も嫌いな人たちである。

 

 どうしてそういう人たちにそのような反感を感じるのだろうか。

 

 彼らは視聴者に、「あなたはどうしてこのような理不尽に怒りを覚えないのか?」と唆す。しかし唆された視聴者の多くは、自分はその是非を断ずるまでの情報を持っていないことをよく承知している。そして唆したその男又は女が、明日平然と違うことを慨嘆するかも知れないことも承知している。唆すごとき言説の人物が、その言説の責任をあとでとることなど決してないことを承知している。

 

 ひとは自分の言葉や行動に責任を持つ。しかし眉間に皺を寄せて世界を背負っているが如きアジテーターはまず責任をとることがないことを、歴史を知る人たちは多くの前例から知っているけれど、残念ながらその言説に影響を受けてしまう人も少なからずいる。そういうアジテーターは、実は最も世の中を他人事で生きていることをまっとうな人は承知している。私はそういう「眉間に皺」の人物に嫌悪感を抱くことこそ、自分がまともであるしるしだと思っている。
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