映画『ダークサイド』2018年カナダ・アメリカ
監督ティム・ハンター、出演ニコラス・ケイジ、ロビン・タネイほか
題名からオカルト的な映画を想像するではないか。ところがオカルトでもサイコパスの話でもない。犯罪は起こるのだがその犯人は意外であるもののどんでん返しがあるわけでもない。などと書くとこの映画がつまらなかったのかと思われるが、ストーリーが単純なのに意外と面白かったのである。
やはりニコラス・ケイジはただ者ではない。
娘を事故で喪い、それが自分の責任であり相手の責任でもあると自覚している夫婦が心機一転して、遠く離れた田舎のモーテルを居抜きで買い取り、経営者として再出発しようとする。そこで感じる微妙な違和感が次第に不安を増幅させていく。以前の経営者は行方不明になり、そのモーテルで過去に事件があったらしいことも分かってくる。
近所の人びとも田舎特有の猜疑心にみちた目で彼らを見ているような気がする。やがて亭主(ニコラス・ケイジ)はそのモーテルに秘密の地下通路があることを発見する。そしてそこで見たものは・・・。
物語は中途半端な形で終わってしまうが、そういう形でしか終わりようがない話であるとも言える。その日常の隙間の宙ぶらりんの感じがなかなか気持から消えない映画である。スカッとしないその嫌らしさを感じるのも映画の楽しみか。意外な掘り出し物ともいえる。
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