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2020年4月14日 (火)

宮崎正弘『さよなら、習近平』(ビジネス社)

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 宮崎正弘の言う通りなら中国は十年前に崩壊していた。「ピーターと狼」ではないけれど、繰り返し「もうすぐ崩壊する」といわれすぎて、もうそれは空念仏にしか聞こえないで素通りする。それなのになぜこのひとの本をときどき読むのか。

 

 面白いからである。なぜ面白いと思うのか。ほかの本やニュースからは得られないような話が読めるからである。彼は世界中を歩き回って情報を取る。中国ばかりではなく、中近東や西アジア、東ヨーロッパなどにも自ら出掛けて世界全体に目配りしている。その結果としての彼の読みが少し行きすぎているから予想がなかなか当たらないだけで、どうしてそう予想したのかはちゃんと根拠があるのである。

 

 机上で楽をして妄言を吐く某古市氏などとは違うのである。宮崎正弘は中国はもちろんのこと、中近東や東ヨーロッパ、西アジアの歴史と現状についてしっかりとした知識を持っているし、世界観も明確である。中国以外のそのへんは私の最も苦手とするところなので、参考になり、面白いというわけである。

 

 さて、この本は三月までの情勢を元に書いているので、中国が新型コロナウイルスを抑え込むに至っていない時点での分析となっている。果たして彼の言う通り習近平政権は倒れるや否や。ただ、中国は投機マネーとサプライチェーンとしての経済活動で国営企業という共産党政権であるための最大の弱点を糊塗してきた。それが巨大な負債を抱えて身動きできない状態になりつつあるという分析は理解できる。さて中国は危機にあるのだろうか。アメリカのさまざまな攻撃という最大の危機もある。習近平独裁政権はこの危機をどう乗り切るのか。

 

 親亀の中国がこけたら韓国はいちころだろう。日本も世界も無傷では済まない。それでもこのまま中国の世界制覇の夢が実現するよりいいのではないか、などと私も妄想する。
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コメント

こんにちは
あのモンゴル学・満洲語学の大家であった故・岡田英弘先生によれば、中国の歴代王朝は巨大な商社みたいなものだった、と言います。つまり政府を構成する人間がめいめいで自分で金を稼ぐシステムだったそうです(そのため中国歴代王朝では、宋王朝を除いて役人に給料は出なかったか、出ても雀の涙だったと言います)つま利今の中国も政府自体が商社と化すことで経済運営してきたのでしょう。
しかし、こういう状態で国を運用しようとすれば必ず問題になるのが汚職の問題です。習近平政権は汚職を取り除いいたかのように”自慢”しますが、中国というシステム自体汚職で担保されていることを考えれば、この方法ではいつかはダメになるでしょう。
では、
shinzei拝

shinzei様
共産党員の懐の原資は国営企業です。
そして中国経済の本質的な問題は国営企業の存在にあります。
習近平はそこへメスを入れれば自分の身が危ういし、このままであれば中国経済は袋小路に入ってしまいます。
前門の虎、後門の狼の立場にある習近平が延命を考えれば、独裁政権に突っ走るしかないでしょう。
経済が停滞したとき、中国人民がそれをどう考えるかでしょう。

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