佐藤雅彦『新しい分かり方』(中央公論新社)
最後の三分の一くらいは随筆という名の著者の考えが書かれた文章が収められているが、全体としては大人の絵本といっていい本だ。イラストと写真がふんだんに、しかもスペースだらけの中にあって、そこに何気なく見過ごしていると気がつかないようなことを、分かりやすく単純化して「あれ、何だろう」とか「どういうことだろう」と考えさせてくれる仕組みになっている・・・、はずの本である。
それを素直に面白がって楽しめばいいのだけれど、そしてそれを期待してこの本を購入して眺めた(読んだとまでいいにくい)のだけれど、なんだかたいていのものが私の頭を素通りしてしまい、だから何なの、と云う感想しか残っていない。
著者は日本のクリエイティブディレクターなのだそうだ。新しい視点を得るためのヒントでもないかと期待したけれど、ちょっと私とは肌合いが合わない仕事をする人のようだ。たぶんもてはやす人も多いのだろうなあ。私は頭の固い、分かれない人なのだろう。
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