SARSと新型コロナウイルス
新型コロナウイルスに関して、医療関係者のコメントはおおむね歯切れが悪いか、または歯切れが良すぎてあまりこちらの胸に響かないものが多いが、唯一これは、と思ったのは、東北大学大学院教授の押谷教授の見立てと説明だった。あとでNHKのSARSに関するドキュメント番組の再放送で、このひとがどんな役割を演じたのかを知ってなるほどと思った。
SARSの時も今回同様中国は感染を過小評価し、隠蔽を謀った。このSARSがベトナムに飛び火して感染拡大しそうになったとき、その治療に従事して危険を察知し、世界に警鐘を鳴らしたのがイタリア人医師であるカルロ・ウルバニだった。中国で未知のウイルスらしきものが見つかっているという情報と突き合わせ、すぐ中国とWHOに報告したのである。しかし中国とベトナム政府はそれを無視した。そのとき動いたのがWHOから派遣されて北京に駐在していた押谷医師だった。早速ウルバニと連絡を取り合い、ベトナム政府を動かして拡大を食い止めることに成功した。
ウルバニや押谷医師や多くの医師たちの働きがあって、WHOは世界に警鐘を鳴らし、中国政府も動き出した。そのときにはすでに韓国に飛び火していて死者も出ていたが、さいわい日本は波及を食い止めることができた。このときウルバニ医師はSARSに感染して命を落としている。ウルバニはベトナムでは救国の英雄である。ベトナムが中国に接しながら今回の感染拡大を比較的によく食い止めているのはSARSを経験しているからであろう。
今回の新型コロナウイルスではSARSのときと同じ経緯をたどりながら、第二のウルバニは存在せず、押谷医師もいなかった。WHOは中国の言いなりのテドロスが総帥である。それらが今回のパンデミックに繋がったといえるかも知れない。このことは日本だって感染病の研究をしている人たちにとっては旧知であるはずである。韓国はそのSARSの教訓を生かしていざというときの準備もしていたし、初動に全力を尽くした。
その結果は歴然としている。日本は何も学ばなかった。なにも準備をしていなかった。厚生労働省は今回も想定外だったと云うだろう。原発事故と同じく、想定外のことは想定できなかったのだから、という理由で責任者は無罪なのである。何でもかでも非常事態を想定することを拒否するという、戦後培われた日本特有の心性は怖ろしいほどである。だから百田尚樹に茹でガエルと揶揄されるわけである。野党やマスコミは非常事態を想定することを拒否しながら、非常事態になるとその責任を追及する。その脳天気さがまた甚大な被害につながる。
「ニュース」カテゴリの記事
- 意見の相違(2022.06.25)
- 諸刃の剣(2022.06.23)
- 気になる数字(2022.06.21)
- ニュース雑感・国会関連(2022.06.02)
- ニュース雑感・朝鮮半島(2022.06.02)
素人の私でもテドロスの無能さを感じています。
今アメリカ議会ではテドロスの責任追及をしようとしているそうです。
今回のコロナ騒動で今まで見えなかった物が色々見えて来ました。
日本政府の後手後手対策と、感染症対策を準備していない政策等。
韓国や台湾に後れを取っています。
今まで韓国よりも日本は上・・・と思っていましたが!!!。
中国依存がこんなになっていたことにも驚きです。
住宅メーカーは中国からの輸入が無いので住宅施工が出来ないと聞きました。
昨日のプライムニュースで・・・、
感染症は破壊のみ!!!。
そこからどう 変化が起こるのか?・・・面白い番組でした。
投稿: マーチャン | 2020年4月29日 (水) 09時24分
マーチャン様
中国は無能なテドロスを使って台湾排除を画策しましたが、ここまで無能を曝して中国の罪が表に出てしまって、却って逆効果と成り、いま内心あわてているのではないかと思います。
それにつけても本当に頑張っているWHOの職員達が、身動きが取れない上に評価もされないことで意欲が低下してしまうでしょう。
なにより今回の新型ウイルスの蔓延の原因追及をするという、WHOの大事な役目が果たせそうもないことが心配です。
投稿: OKCHAN | 2020年4月29日 (水) 09時59分
おはようございます
豪州がコロナの感染源を調べようとしていますが、中国は観光客や貿易などをチラつかせて妨害しています。
此の期に及んでそんなことしか出来ない中国の無能さ、特に習近平のアホさ加減が嫌になります。日本も全く対策を立てていなかった、ということを聞きまして日中は同じくらい無能で、却って韓国や台湾の賢明さを感じました。
私はかつてから特に韓国を低く見る日本人の風潮に警告を発し続けてきたつもりです。あくまでも韓国は対等な敵としてみるべきであり、今回のコロナ対策の”鮮やかさ”を見てますますそう思わされました。
では、
shinzei拝
投稿: shinzei | 2020年4月29日 (水) 11時24分
shinzei様
経済を武器に脅しをかけるなどという手法が通用すると思っている中国は愚かです。
この脅しによってオーストラリアは中国を本気で憎むようになるでしょう。
経験に学ばないで想定外、などと言い訳する日本と、相手の感情を理解できずに札びらで顔を張る中国は、形は違うけれど経験に学ばないという点で同類ですね。
日本人として悲しいです。
今回こそ学ぶのでしょうか。
投稿: OKCHAN | 2020年4月29日 (水) 12時56分