映画『ブラック・スワン』2010年アメリカ
監督ダーレン・アロノフスキー、出演ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセルほか
録画してあって、いつか見ようと思っている映画が山のようにあるが、この『ブラック・スワン』もそのひとつだった。息子がリアルタイムで劇場で観て「気持ち悪かった」と感想を語っていたことを思い出した。どういう意味でいったのか、観て良く分かった。
私はスティーヴン・キングの『キャリー』を原作とした同名映画を連想した。この『ブラック・スワン』という映画の副主人公は主人公の母親である。母親との関係が主人公を追い込み、現実と幻覚の異世界の狭間に落ちこんでいくという物語であると私には感じられた。そういう母親との葛藤をテーマにした映画はたくさんあるが、これはその中でもよく出来た作品だと思う。
彼女が妄想の世界に入りこむことをほのめかすシーンがところどころでにある。地下鉄から降り立つ、よく顔の見えない黒づくめの女性は彼女の目指すプリマドンナであるとともに彼女自身である。そのようなシーンがいくつかある。観終わってすぐに、彼女の母親には娘の姿がどう見えていたのだろうか、と想像した。すべてを支配してきた母親の枠から逃げられずにいた主人公は、妄想の世界へ逃避することで母親の呪縛から脱皮し、ブラック・スワンとして飛翔した。その飛翔の先にあったものは・・・。
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