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2020年7月30日 (木)

悪いことばかりでは

 日本ではコロナ禍ばかりではなく、例年以上の豪雨水害に甚大な被害が発生している。九州に次いで私の住む中部地区でも、長良川水系や、木曽川の支流である飛騨川水系でも多くの被害が出た。さらに豪雨は東北に移り、私の心のふるさとである山形県の最上川水系にも被害が及んでいる。

 

 それはさておき、豪雨被害は中国でも発生しており、長江水系では繰り返しの集中豪雨で、桁違いの被災者を生み出しているようだ。いま盛んに取り沙汰されているのは三峡ダムが想定を超えた水量に耐えきれなくなって破壊されてしまうのではないかということだ。そうなるとどれほどの被害がダムの下流に及ぶが想像を絶する。それは最下流の上海まで及ぶ可能性があるという。

 

 中国政府は三峡ダムは全く心配がないと繰り返し強調している。ダムを造る場合はかなり余裕を見た強度で造られるはずだから、心配ない、という説明にはウソはないと思う。しかしこのダムを造るときは驚くほどの早さの突貫工事だったから、そこにどんな落とし穴があったか、その人的要因による強度低下については不明である。

 

 今はただ、壊れるまでは壊れないだろうとしか言い様がないし、疑わしい気持ちがあっても、壊れなければ強度は十分だという説明を否定しようがない。

 

 ところで韓国の中央日報が、長江の河口から流出する水量が増えているために海の生態系に影響が出てくるのではないか、という記事を書いていた。大いに心配なことだ。

 

 しかし私は別のことに気がついた。

 

 中国は公害対策などが不十分であるために、大気、海や河川や湖水、そして大地が汚染されていることはすでにたびたび報道されている。農地や農薬や肥料の過剰な散布によって汚れきっているとも言う。それが水害で河川や湖水、そして大地が一気に洗い流されてしまうのである。完全ではないにしてもずいぶんときれいになることだろう。

 

 水害はときに悪いことばかりではないかもしれない。ただ、そうして流れ出して海に注いだ汚濁物を含んだ水がどうなるのか、そこまでは想像が出来ない。さらに、一度きれいになったとしても、また再び汚染されるのにそれほど時間がかからないような気もする。
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