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2020年7月10日 (金)

続・検閲

 検閲について考え出すとあまりにもたくさんのことを考えないといけないので、いまは私的検閲ということについて書いておきたい。検閲とはそもそもが公的機関が行うものであるから、私的検閲というのは矛盾しているが、発言、意見の表明に対しての規制が公的な機関からでないものが、ある意味で公的なものよりも権力的になっているような気がしているのである。私にはいまの日本の状況がそもそもの公的検閲などよりもはるかに私的検閲が多いように見えることに危惧を覚えている。

 

 マスコミが自主規制している、禁止用語や言い回しについてまとめたものが電話帳ほど大部だという話をしばしば聞く。見たことがないので、都市伝説かとも思うが本当らしくもある。差別をしないように注意するための自己規制ということになっているが、じつはその淵源が進駐軍の検閲に端を発しているのではないか、という気もしている。これは江藤淳の『閉ざされた言語空間 占領軍の検閲と戦後日本』という労作を読んでの私の考えである。

 

 そのことはそれとして、いまSNSなどによるさまざまなバッシングが、ある意味で個人が私的に検閲をしているように感じられてならない。善悪の基準はときに人さまざまだが、そのさまざまであることを忘れて、自分の基準だけが正しいと思い込むと、その私的検閲が作動するようである。しばしば善悪で論ずる話ではないことが善悪で論じられたりしている。ミニチュアの権力者が権力を行使している姿に、中国と同じではないか、などと思うのは、私がおかしいのだろうか。正義を声高に叫ぶ人間が私は嫌いである。
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コメント

おはようございます
私の知り合いの中国人が「日本の報道機関はわざわざ政府などが命令しなくても勝手に自分から検閲してしまいますね」と言っていました。
では、
shinzei拝

shinzei様
それは占領軍によって巧妙に、しかも徹底的に日本のマスコミにすり込まれているようです。
中国にとっては日本の報道機関は仲間とも見えているでしょう。
自由と正義を謳いあげながら香港のことを深刻な事態として報道しないのなら、北京駐在員も安泰なことでしょう。
自由も民主主義も人権も口先だけだと分かります。
中国に対して非難決議を出すこともしない野党も同様です。

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