ようやくわかったこと
夜中の三時ごろに目が覚めてしまったので、ラジオ深夜便を聴いていたら加藤登紀子の歌が流れていた。『知床旅情』、『琵琶湖周航の歌』、『赤い風船』、『時代遅れの酒場』、題名を聞きそびれたが『紅の豚』のなかの歌などをいろいろな思い出とともに聴いていた。ちょっと苦手な(つまり好きではない)『百万本のバラ』がなかったのはさいわいであった。
『時代遅れの酒場』は、映画『居酒屋兆冶』のラストに主演の高倉健が低い声で歌っていたことを思い出していた。大好きな映画で、憎まれ役の伊丹十三の名演が忘れられない。この映画で兆冶(高倉健)の嫁さん役を加藤登紀子が演じていて、全く自然で違和感がなかった。
高畑勲監督の『紅の豚』では魅惑的なマダム・ジーナの声を加藤登紀子が演じ、劇中歌やエンディングテーマも歌っていた。
今回、『知床旅情』にまつわるエピソードで、長年の懸案がようやく氷解した。この歌が森繁久弥の作詞作曲であることはよく知られているが、この曲は映画『地の涯に生きるもの』に主演した森繁久弥が長期ロケの際に作ったものだという。歌ったのはロケが終わってから、地元の人たちの前であって、映画にはこの歌はない。この1960年制作の『地の涯に生きるもの』という映画を私は子供のときにリアルタイムに映画館で観ているのだ。
この映画の題名がわからずにずっと気になりながら、調べればわかるのに、わからないままにしていた。今回ようやく知ることが出来た。そうしてこの映画は国後島が舞台だとばかり思い込んでいたのだが、知床半島だということも知った。冬は無人になる網小屋に、猫とともに網を鼠から護るために独りで越冬する老人の話で、彼の若いころからの回想シーンと厳しい冬の映像が忘れられない。もちろん主演は森繁久弥である。
その極寒の風景と同じような景色が今日明日の寒気によってやってくる。
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